車両本体価格200万円以下の魅力的なアメ車の中古車を紹介する企画の22台目は、ハマー三兄弟の末弟、ハマーH3の正規輸入車です。

車両の概要は以下の通り。
↓
2008年型ハマー H3 ラグジュアリー
・車両本体価格：178万円
・走行距離：約9万7584km
・排気量：3653cc（直5 DOHC）
・ミッション：4AT
・ボデイカラー：ブラック
・内装：ブラック
・乗車定員：5名

ハマーH3は、兄貴分であるH2よりもコンパクトで取り扱いが楽な分、日本でもかなりヒットしたアメリカンSUVです。が、実は筆者は新車当時のH3はそれほど評価していませんでした。
2008年モデルのハマーH3の正規輸入車の車両本体価格は496〜622万4000円。この金額は、同じGM系のアメリカンSUVであるシボレートレイルブレイザーの376万9500〜426万3000円という価格と比べると、かなり高額で割高な印象でした。
ブランドの違いがあるにせよ、ハマーH3に搭載された直列5気筒エンジンは、トレイルブレイザーに搭載された直列6気筒エンジンから1気筒削ったユニットです。それを考えると、当時、ある程度アメ車に詳しい人間であれば、ハマーH3の販売価格が高く感じたのも仕方ないと思います。
しかし、販売終了から10年の月日が経ち、今回久しぶりにハマーH3の中古車に試乗した事で、ハマーH3の新車常時の価格が、決して割高なものではなかったことが分かりました。というのも、走行約10万kmを走った中古車となっても、ハマーH3は、ハマーならではの頑強さをしっかりと維持していたからです。正直、これにはかなり驚きました。

筆者は、トレイルブレイザーというモデルを、新車当時に高評価していたし、中古車になっても割安感のあるアメリカンSUVと考えてそれなりに評価しています。
しかし、新車販売から10年を経たトレイルブレイザーの多くは、随所に経年劣化を色濃く感じます。それはエンジンであったりボディであったり内装であったりするのですが、中古車となったトレイルブレイザーは、ほとんど全ての車両で年式なりの「ヤレ」を感じるのです。
いずれも「年式や価格を考えれば仕方ない」というレベルだし、中古車が新車から劣化しているのは当然なのですが、数十万円のお手頃プライスを付けているトレイルブレイザーに乗る度に、「新車の時には凄く良かったんだけどなぁ…」と感じるのは寂しいものがありました。

でも、今回のハマーH3には、トレイルブレイザーの中古車に乗る度に感じる「時の流れ」をほとんど感じる事がありませんでした。もちろん、12年も前の中古車なので、外観にも内装にも劣化は随所に見られます。しかし、実際に乗って走らせてみると、エンジンもボディも実にしっかりとしていて、「ご老体」な感じがしないのです。これはつまり、それだけ自動車としての基本部分がしっかりしているという事だと思います。
新車時に感じた割高感が、実はちゃんと理由のあるものだったというのが、絶版となってから10年を経て分かったという（笑）

ま、そんなわけで、動画中でも語っている通り、ハマーH3というのは、ライバルと相対評価しても、車両そのものを絶対評価しても、もっと評価されていいモデルだと思います。

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■撮影＆編集：田中享

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