ベンツのエンジンオイル量の確認方法とは?オーナーなら知っておきたい簡単な点検手順

メルセデス・ベンツ 更新日:2025/06/15 公開日:2025/06/15
ベンツのエンジンオイル量の確認方法とは?オーナーなら知っておきたい簡単な点検手順

ベンツを所有している方なら、エンジンオイルの管理がいかに大切かご存知でしょう。でも、実際にオイル量をチェックする方法について、詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。

ベンツのオイル量確認は、年式や車種によって方法が大きく異なります。古いモデルではディップスティックを使いますが、最新モデルではデジタル表示で確認するのが一般的です。正しい手順を知らないと、エンジンにダメージを与えてしまう可能性もあります。

この記事では、ベンツオーナーなら必ず覚えておきたいオイル量の確認方法を、車種別に詳しく解説していきます。基本的な知識から実際の手順、よくある失敗例まで、幅広くカバーしているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

ベンツのエンジンオイル量を確認する前に知っておくべき基本知識

なぜベンツのオイル量チェックが他の車と違うのか

ベンツのオイル量確認が特別な理由は、ドイツ車特有の精密な設計にあります。日本車の多くが簡単なディップスティックでオイル量を測るのに対し、ベンツは車種によって全く異なるシステムを採用しています。

2010年以降の新しいモデルでは、物理的なディップスティックが存在しません。代わりに、車載コンピューターがオイルの状態を常に監視し、デジタル表示で正確な情報を提供してくれます。この仕組みにより、より精密な管理が可能になっているのです。

確認に適したタイミングと車の状態

オイル量を正確に測定するには、タイミングが非常に重要です。エンジンが冷えた状態では、オイルがエンジン内部に残っているため、正確な量を把握できません。

まず、エンジンを5分から10分程度暖気運転します。これにより、オイルがエンジン全体を循環し、適切な温度に達します。その後、エンジンを停止して5分間待ちましょう。この待ち時間で、オイルがオイルパンに戻り、正確な測定が可能になります。

必要な道具と準備するもの

ディップスティック式のベンツの場合、準備するものはシンプルです。清潔なウエスまたはペーパータオル、そして平坦な場所があれば十分です。

デジタル表示式の場合は、特別な道具は必要ありません。ただし、車両の取扱説明書を手元に置いておくと安心です。操作方法は年式によって微妙に異なるため、迷った時にすぐ確認できるようにしておきましょう。

ベンツのエンジンオイル量確認方法【基本編】

エンジンを止めてから待つ時間の目安

正確なオイル量測定のカギは、適切な待ち時間にあります。エンジン停止後、最低でも5分は待つ必要があります。この時間が短すぎると、まだエンジン内部にオイルが残っているため、実際よりも少なく表示されてしまいます。

逆に、あまりに長時間放置する必要もありません。10分程度待てば、ほぼ全てのオイルがオイルパンに戻ります。急いでいる時でも、この待ち時間だけは必ず守るようにしてください。

オイルレベルゲージの正しい見方

ディップスティック式のベンツでオイル量をチェックする際は、まずディップスティックを完全に引き抜きます。付着したオイルをウエスできれいに拭き取った後、再度完全に挿し込んでください。

数秒待ってから再び引き抜くと、オイルの付着具合で正確な量が分かります。この時、ディップスティックが斜めに入っていると正確な測定ができないので、まっすぐ挿し込むことが大切です。

適正範囲の読み取り方とマーキングの意味

ディップスティックには「MIN」と「MAX」のマーキングがあります。オイルレベルがこの2つの線の間にあれば、適正な量が入っていることになります。

「MIN」ラインを下回っている場合は、すぐにオイルを補充する必要があります。一方、「MAX」ラインを超えている場合も問題で、エンジンに悪影響を与える可能性があります。理想的なレベルは、「MIN」と「MAX」の中間あたりです。

車種別のオイル量確認手順の違い

Cクラス・Eクラスでの確認方法

Cクラス(W205)やEクラス(W213)などの現行モデルでは、デジタル表示でオイル量を確認します。まず、車両を水平な場所に停車し、エンジンを十分に暖気してから停止します。

メーターパネルのメニューから「車両」→「サービス」→「エンジンオイルレベル」の順に選択していきます。画面に「測定中」と表示された後、オイルレベルが表示されます。この操作は、エンジン停止後5分以内に行う必要があります。

Sクラス・GLクラスでの注意点

Sクラス(W222、W223)やGLクラスなどの大型車では、オイル容量が6リットルから8リットルと多めです。そのため、オイル量の変化も大きく現れやすく、より慎重な確認が必要になります。

これらの車種では、COMANDシステムやMBUXの操作方法が他のクラスと若干異なる場合があります。メニューの階層が深い場合もあるので、取扱説明書で正確な操作手順を確認することをおすすめします。

AMGモデル特有のチェックポイント

AMGモデルは高性能エンジンを搭載しているため、オイル管理がより重要になります。特に、V8エンジンを搭載したモデルでは、オイル消費量が通常のモデルよりも多い傾向があります。

AMGモデルでは、オイル交換の推奨距離も短く設定されており、5,000キロから10,000キロごとの交換が推奨されています。そのため、オイル量のチェックも月に1回程度の頻度で行うのが理想的です。

デジタル表示でのオイル量確認方法

メーターパネルでの操作手順

2010年以降のベンツでは、メーターパネルのマルチファンクションディスプレイでオイル量を確認できます。ステアリングホイールの左側にあるボタンを使って、メニューを操作していきます。

「車両」メニューを選択し、その中から「サービス」または「メンテナンス」を探します。さらに「エンジンオイルレベル」の項目を選択すると、測定が開始されます。測定には数秒から数十秒かかる場合があります。

コマンドシステムを使った確認方法

COMANDシステム搭載車では、センターコンソールの画面から操作します。「車両」アイコンをタッチし、「車両ステータス」または「サービス」メニューに進みます。

「エンジンオイルレベル」の項目を選択すると、自動的に測定が始まります。測定中は車両を動かさないよう注意してください。結果は「適正」「不足」「過剰」のいずれかで表示されます。

エラー表示が出た時の対処法

「測定不可」や「エラー」が表示された場合は、いくつかの原因が考えられます。最も多いのは、エンジンが十分に暖まっていない場合や、車両が傾斜地に停車している場合です。

エンジンを再度暖気し、平坦な場所で測定し直してみてください。それでもエラーが続く場合は、オイルレベルセンサーの故障の可能性があります。この場合は、ディーラーでの点検が必要になります。

オイル量が不足している時の対応方法

適切なオイルの種類と粘度の選び方

ベンツには、メルセデス・ベンツ独自の規格に適合したオイルを使用する必要があります。一般的には「MB229.5」や「MB229.51」などの規格が指定されています。

粘度については、0W-20、5W-30、5W-40などがありますが、車種やエンジンによって推奨される粘度が異なります。取扱説明書やエンジンルーム内のステッカーで、正確な規格と粘度を確認してから購入しましょう。

補充する際の注意点と手順

オイルを補充する際は、一度に大量に入れないことが重要です。まず500ml程度を入れて、5分ほど待ってからオイル量を再確認します。

オイルフィラーキャップを開ける際は、エンジンが冷えてから行ってください。熱いエンジンにオイルを入れると、正確な量が分からなくなる可能性があります。また、オイルをこぼさないよう、オイルジョッキやファンネルを使用することをおすすめします。

入れすぎた場合のリスクと対処法

オイルを入れすぎると、エンジン内部の圧力が高くなり、様々な問題を引き起こします。燃費の悪化、白煙の発生、最悪の場合はエンジンの損傷につながる可能性があります。

入れすぎてしまった場合は、速やかに余分なオイルを抜き取る必要があります。自分で作業するのは困難なので、整備工場やディーラーに相談することをおすすめします。

オイル量確認で発見できる異常のサイン

オイルの色や質感で分かる劣化状態

ディップスティック式のベンツでは、オイルの状態も同時にチェックできます。新しいオイルは透明感のある琥珀色をしていますが、使用とともに黒く濁ってきます。

真っ黒になったオイルは交換時期を過ぎている証拠です。また、オイルに金属粉が混じっている場合や、異常に粘度が高くなっている場合は、エンジン内部に問題がある可能性があります。

異常な減り方が示すトラブルの可能性

正常な状態でも、ベンツのエンジンは多少のオイル消費があります。しかし、短期間で大量にオイルが減る場合は、オイル漏れやエンジン内部の摩耗が考えられます。

特に、駐車場にオイルの染みができている場合は、明らかにオイル漏れが発生しています。また、マフラーから青白い煙が出る場合は、エンジン内部でオイルが燃焼している可能性があります。

専門店に相談すべきタイミング

月に1リットル以上のオイル消費がある場合や、オイルの色が異常に変化している場合は、専門店での点検をおすすめします。また、オイル量の表示が不安定な場合も、センサーの故障が疑われます。

早期発見・早期対応により、大きなトラブルを防ぐことができます。気になることがあれば、遠慮なく専門店に相談してみてください。

ベンツのオイル交換時期と管理のコツ

走行距離と期間による交換目安

ベンツの公式な推奨交換距離は10,000キロから15,000キロとなっていますが、使用環境によって調整が必要です。市街地走行が多い場合や、短距離走行を繰り返す場合は、より頻繁な交換が推奨されます。

期間的には、距離に関係なく1年に1回は交換することをおすすめします。オイルは時間の経過とともに酸化し、性能が低下するためです。特に、年間走行距離が少ない方は、期間での管理を重視してください。

運転スタイル別のメンテナンス頻度

高速道路での長距離走行が多い方は、比較的オイルの劣化が緩やかです。一方、市街地での短距離走行やストップ&ゴーが多い方は、オイルへの負担が大きくなります。

AMGモデルやスポーツ走行を楽しむ方は、5,000キロから8,000キロでの交換がおすすめです。エンジンへの負荷が高いため、より頻繁なメンテナンスが必要になります。

記録をつけて管理する方法

オイル交換の記録をつけることで、愛車の状態を把握しやすくなります。交換日、走行距離、使用したオイルの種類などを記録しておきましょう。

スマートフォンのアプリを使えば、簡単に記録を管理できます。また、レシートや整備記録簿も大切に保管しておくと、車両の価値維持にもつながります。

よくある失敗例と注意すべきポイント

確認時によくある間違いとその対策

最も多い失敗は、エンジン停止後の待ち時間が不十分なことです。急いでいる時でも、最低5分は待つようにしてください。また、傾斜地での測定も正確な結果が得られません。

ディップスティックを完全に挿し込まずに測定してしまうケースもよくあります。「カチッ」という音がするまで、しっかりと挿し込むことが大切です。

季節による影響と対応方法

気温の変化により、オイルの粘度や体積が変化します。冬場は粘度が高くなり、夏場は低くなる傾向があります。そのため、季節の変わり目にはオイル量の確認をより頻繁に行うことをおすすめします。

特に、寒冷地では低温用のオイルを使用することで、始動性が向上します。地域の気候に合わせたオイル選択も重要なポイントです。

長期間放置した場合のリスク

長期間車を使用しない場合でも、オイルは劣化します。特に、湿度の高い環境では、オイル内に水分が混入する可能性があります。

月に1回程度はエンジンを始動し、オイルを循環させることをおすすめします。また、長期保管前には新しいオイルに交換しておくと安心です。

プロに任せるべき場合の判断基準

自分でできる範囲と限界

オイル量の確認や簡単な補充は、オーナー自身でも十分可能です。しかし、オイル交換やフィルター交換などの作業は、専門的な知識と工具が必要になります。

特に、ベンツの場合は車種ごとに異なる規格のオイルやフィルターが必要で、間違った部品を使用するとエンジンにダメージを与える可能性があります。

信頼できる整備工場の選び方

ベンツの整備には、輸入車に精通した工場を選ぶことが重要です。ベンツの認定工場や、輸入車専門の整備工場がおすすめです。

事前に、使用するオイルの種類や作業内容について詳しく説明してくれる工場を選びましょう。また、作業後には交換したオイルの量や次回交換時期について、きちんと説明してくれることも大切なポイントです。

定期点検での確認項目

年1回の定期点検では、オイル量だけでなく、オイルの劣化状態やエンジン周りの点検も行われます。オイル漏れの有無、ベルト類の状態、冷却水の量なども同時にチェックしてもらいましょう。

定期点検を受けることで、小さなトラブルを早期発見でき、結果的に修理費用を抑えることにもつながります。

まとめ:ベンツのオイル量確認を習慣にしよう

ベンツのオイル量確認は、車種によって方法が大きく異なりますが、基本的な手順を覚えてしまえば決して難しい作業ではありません。月に1回程度の定期的なチェックを習慣にすることで、愛車を長く良い状態で維持できます。

デジタル表示式の新しいモデルでも、ディップスティック式の古いモデルでも、正しい手順で確認することが何より大切です。エンジンの暖気と適切な待ち時間を守り、平坦な場所で測定することを心がけてください。オイル量の管理は、ベンツオーナーとしての基本的なスキルの一つです。この記事を参考に、ぜひ実践してみてください。