BMW G30は不人気って本当?F10との違いや売れ行きから見るモデルの立ち位置とは

BMW 更新日:2025/06/24 公開日:2025/06/24
BMW G30は不人気って本当?F10との違いや売れ行きから見るモデルの立ち位置とは

BMW 5シリーズのG30型について「不人気」という声を聞いたことはありませんか?実際のところ、この話は本当なのでしょうか。G30は2017年から2023年まで販売された7代目5シリーズで、現在は中古車市場で注目を集めています。

一方で、前の世代であるF10との違いや、実際の売れ行きを見ると、G30の真の価値が見えてきます。高級車の購入を検討している方にとって、この「不人気説」の真偽は重要な判断材料になるでしょう。

今回は、G30が本当に不人気なのか、F10との具体的な違い、そして中古車市場での立ち位置について詳しく解説します。購入を迷っている方も、すでに興味をお持ちの方も、きっと参考になる情報をお届けできると思います。

BMW G30が「不人気」と言われる理由を検証してみた

BMW G30について「不人気」という評価が生まれる背景には、いくつかの要因が絡み合っています。しかし、これらの理由を詳しく見ていくと、必ずしも車の性能や魅力に問題があるわけではないことがわかります。

中古車価格の下落が激しいから?

G30の中古車価格は確かに大幅に下落しています。2019年式の530e系では、新車価格814万円から839万円に対して、中古車相場は約280万円から310万円となっており、新車価格比で約34%から37%まで下がっています。

この価格下落の激しさが「不人気」という印象を与えているのは事実です。しかし、これは必ずしも車の品質や魅力に問題があるからではありません。高級車の中古車市場では、新車志向が強いため、どうしても価格が下がりやすい傾向があります。

むしろ、購入者にとってはこの価格下落は大きなメリットになります。高品質な高級セダンを手頃な価格で手に入れられるチャンスと捉えることもできるでしょう。

セダン離れの影響を受けているから?

現在の自動車市場では、セダン離れが深刻な問題となっています。SUVやクロスオーバーモデルの人気が高まる中で、セダンというカテゴリー自体が不人気になっているのです。

G30も例外ではなく、この市場全体の流れの影響を受けています。デザインや性能はトップレベルなのに、売れない理由が見つからないという状況が生まれているのです。

ただし、これは日本市場特有の現象でもあります。欧州などではカンパニーカーとして成功を収めており、G30の真の価値は世界的に認められています。

維持費の高さが敬遠される理由?

BMW 5シリーズの維持費は、国産車の1.5倍以上かかる場合があります。輸入車特有のメンテナンスコストや修理費用が負担になることが、購入をためらう理由の一つになっています。

専用部品の価格が高く、定期点検や修理の工賃も高額になりがちです。また、故障した際の修理費用も、特殊な部品や大がかりな修理の場合は高額になることがあります。

しかし、新しい年式のBMW 5シリーズは故障率が低く、維持しやすくなっています。適切なメンテナンスを行えば、大きな故障やトラブルを抑えることができるのも事実です。

BMW G30とF10の違いを比較|どちらを選ぶべき?

G30とF10の違いを理解することは、購入判断において非常に重要です。両モデルにはそれぞれ異なる魅力があり、用途や好みによって最適な選択が変わってきます。

外観デザインの変化点

G30は一気にモダンな内外装を手に入れました。フロントまわりのデザインを現代的に解釈し直し、従来型以上の堂々たるサイズと存在感をもった超プレミアム系アッパーミドルサルーンに生まれ変わっています。

一方で、F10の方が重厚感があるという声もあります。デザインの好みは個人差がありますが、G30は現代的で洗練された印象を与える一方、F10はより伝統的なBMWらしさを感じられるデザインとなっています。

近年のBMWがリリースしている強いエモーショナル感のエクステリアデザインと比べ、G30は落ち着いた印象のエクステリアデザインを好むユーザーに人気があります。

走行性能と乗り心地の違い

走行性能については、意外にもF10の方が評価が高い場合があります。F10からG30に乗り換えたユーザーからは、「乗り心地は圧倒的にF10の方が重厚感があり走行性能も良い」という評価も聞かれます。

G30では車体剛性が高くなり、重厚感や安定感が改善されたように感じられます。しかし、サスペンション設定の違いにより、好みが分かれるところでもあります。

高速域のハンドリングやスタビリティは、G30が先代とは別次元といえる仕上がりになっています。現在乗っても一級品といえるレベルの性能を持っています。

装備や機能面での進化

G30では先進安全装備が大幅に充実しました。衝突被害軽減ブレーキはもちろん、アダプティブクルーズコントロールや車線中央維持も付くレーンキープアシストなども用意されています。

新世代のツインパワーターボエンジンやプラグインハイブリッド、軽量化などにより、走りや燃費も磨き上げられています。多彩なエンジンラインナップも魅力の一つです。

高速道路を頻繁に使う方にとって、ドライバーアシスト機能の存在は見逃せないポイントです。これらの機能は、長距離運転の疲労軽減に大きく貢献します。

中古車価格の差はどのくらい?

G30の中古車相場は、2019年式の523d系で約280万円から340万円となっています。一方、F10の中古車相場は年式や走行距離によって大きく異なりますが、一般的にG30よりも安価で購入できます。

ただし、F10は既に生産終了から時間が経っているため、状態の良い個体を見つけるのが難しくなってきています。メンテナンス履歴がしっかりしている車両を選ぶことが重要です。

コストパフォーマンスを重視するなら、G30の価格下落は大きなメリットになります。高品質な最新技術を搭載したモデルを、比較的手頃な価格で購入できるからです。

BMW G30の前期と後期モデルの見分け方

G30には前期モデル(2017年〜2020年)と後期モデル(2020年〜2023年)があり、それぞれに特徴があります。購入を検討する際は、これらの違いを理解しておくことが大切です。

外装の変更点をチェック

前期と後期の外装変更点は比較的控えめですが、細部に違いがあります。ヘッドライトの形状やグリルのデザイン、バンパーの造形などに微細な変更が加えられています。

また、ホイールデザインやエクステリアカラーのラインナップにも変更があります。後期モデルでは、より洗練されたデザインエレメントが追加されています。

これらの変更点は、一見すると分かりにくいものですが、全体的な印象に影響を与えています。購入前に実車を確認して、好みに合うかどうか判断することをおすすめします。

内装や装備の改良内容

後期モデルでは、インフォテインメントシステムの機能向上や操作性の改善が行われています。また、安全装備についても、より高度な機能が追加されています。

シートの素材や色合いにも変更があり、より上質な仕上がりになっています。細かな部分ですが、日常的に使用する上での満足度に影響する要素です。

エアコンの操作パネルやスイッチ類の配置も一部変更されており、使い勝手が向上しています。これらの改良により、後期モデルの方が完成度が高いと感じられるでしょう。

どちらを選ぶのがお得?

価格面では、前期モデルの方が安価で購入できます。先代5シリーズの前期モデルは、中古車マニアがターゲットにしている車種ランキング上位モデルで、年式と価格、内容のバランスが絶妙です。

前期モデルでも基本的な性能や装備は十分に高いレベルにあります。特にベーシックな「523」系は、200万円前半から数多く探せるため、コストパフォーマンスに優れています。

後期モデルを選ぶメリットは、より新しい技術と改良された装備を享受できることです。予算に余裕があり、最新の機能を重視する方には後期モデルがおすすめです。

BMW G30の実際の売れ行きと市場での評価

G30の真の価値を理解するためには、実際の売れ行きと市場での評価を客観的に見る必要があります。数字で見る現実と、ユーザーの実際の評価には興味深い違いがあります。

新車販売台数の推移

G30の新車販売台数は、セダン市場全体の縮小の影響を受けています。しかし、BMW 5シリーズとしては一定の販売実績を維持しており、ブランドの中核モデルとしての地位は保っています。

日本市場では、SUVやクロスオーバーモデルへの需要シフトが顕著で、セダンというカテゴリー自体が厳しい状況にあります。これはG30だけの問題ではなく、市場全体の傾向です。

一方で、欧州市場ではカンパニーカーとして成功を収めており、グローバルでの評価は決して低くありません。日本市場の特殊性を考慮する必要があります。

中古車市場での人気度

中古車市場では、G30は「神コスパ中古車」として注目を集めています。新車価格から大幅に下落した価格で、高品質な高級セダンを購入できるため、賢い選択として評価されています。

現行型BMW 5シリーズ(G60)の中古車流通量も増加しており、総額580万円前後から狙える状況になっています。これにより、G30の相対的な価値がさらに高まっています。

中古車マニアの間では、G30前期モデルが特に注目されており、年式と価格、内容のバランスが絶妙だと評価されています。

他の競合車種との比較

同クラスの競合車種と比較すると、G30は走行性能と装備の充実度で優位に立っています。メルセデスベンツEクラスやアウディA6と比べても、コストパフォーマンスの面で魅力的です。

特に、先進安全装備の充実ぶりは競合車種と比べても遜色なく、むしろ優れている部分もあります。この点は、安全性を重視する購入者にとって大きなメリットです。

レクサスESなどの国産高級セダンと比べると、維持費の面では不利ですが、走りの楽しさや欧州車らしい上質感では優位性があります。

BMW G30を選ぶメリットとデメリット

G30の購入を検討する際は、メリットとデメリットを正しく理解することが重要です。どんな車にも長所と短所があり、自分の用途や価値観に合うかどうかが判断のポイントになります。

G30ならではの魅力

走行性能の高さ

G30の走行性能は、同クラスの中でもトップレベルです。新世代のツインパワーターボエンジンにより、力強い加速と滑らかな走りを実現しています。高速域でのハンドリングやスタビリティは、先代とは別次元の仕上がりです。

ディーゼルエンジンの「523d」は、走りの力強さと低燃費を両立しており、ドライバーとしても楽しめる上に燃料代を抑えられます。これは日常使いにおいて大きなメリットです。

四輪駆動システム「xDrive」搭載モデルでは、悪天候時の安定性も抜群です。雪道や雨天時でも安心して運転できるのは、高級車ならではの安心感といえるでしょう。

上質な内装と快適性

G30の内装は、BMW伝統の上質さと現代的な機能性を両立しています。高品質な素材を使用した内装は、長時間のドライブでも疲れにくい環境を提供します。

シートの座り心地は秀逸で、長距離運転でも体への負担が少ないよう設計されています。また、静粛性も高く、高速道路での会話も楽に行えます。

室内空間も十分に確保されており、後席の乗員も快適に過ごせます。ファミリーカーとしても十分に機能する実用性があります。

先進安全装備の充実

G30では、衝突被害軽減ブレーキ、アダプティブクルーズコントロール、レーンキープアシストなど、最新の安全装備が充実しています。これらの機能は、万が一の事故を防ぐだけでなく、日常の運転負荷を軽減してくれます。

特に高速道路での運転支援機能は優秀で、長距離運転の疲労を大幅に軽減できます。渋滞時の自動追従機能も、ストレスの軽減に大きく貢献します。

駐車支援システムも充実しており、狭い駐車場でも安心して駐車できます。都市部での使用において、これらの機能は非常に重宝します。

購入前に知っておきたい注意点

維持費の目安

G30の年間維持費は、使用状況にもよりますが、国産車の1.5倍以上になる場合があります。主な費用項目として、定期点検費用、消耗品交換費用、修理費用、保険料などが挙げられます。

項目年間目安費用
定期点検・メンテナンス15-25万円
消耗品交換10-20万円
自動車税5-7万円
保険料10-15万円
燃料費15-25万円

これらの費用を事前に計算して、予算に組み込んでおくことが重要です。ただし、適切なメンテナンスを行えば、大きな故障を防ぐことができ、長期的には維持費を抑えられる可能性もあります。

よくある故障と対策

G30では、電子制御システムの複雑さから、センサーやコンピューターのトラブルが発生しやすいとされています。また、エンジンオイル漏れや冷却系統のトラブルも報告されています。

しかし、最新のG型シリーズでは故障率が低下しており、品質改善が進んでいます。定期的なオイル交換や部品の点検を行えば、多くのトラブルを予防できます。

購入時は、メンテナンス履歴が明確な車両を選ぶことが重要です。過去の点検・整備履歴を重視して、信頼できる販売店から購入することをおすすめします。

燃費性能について

G30の燃費は、グレードによって大きく異なります。ディーゼルエンジンの523dでは比較的良好な燃費を実現していますが、ガソリンエンジンモデルでは燃費が気になる場合があります。

プラグインハイブリッドの530eでは、電気モードを活用することで燃費を大幅に改善できます。ただし、充電環境が整っていることが前提となります。

実際の燃費は運転方法や使用環境によって大きく変わるため、試乗時に確認することをおすすめします。高速道路中心の使用では燃費が向上しやすい傾向があります。

BMW G30の中古車を狙うなら今がチャンス?

現在の中古車市場において、G30は非常に魅力的な選択肢となっています。価格下落により、高品質な高級セダンを手頃な価格で購入できるタイミングが到来しています。

おすすめのグレードと年式

最もおすすめなのは、ディーゼルエンジンを搭載した「523d」です。走りの力強さと低燃費を両立しており、維持費の面でもメリットがあります。特に「523d Mスポーツ」は人気が高く、中古車相場も比較的安定しています。

年式については、2019年式以降がおすすめです。この時期のモデルは、初期の不具合が改善されており、信頼性が向上しています。また、保証期間の関係でも有利です。

予算に余裕がある場合は、「530i Mスポーツ」も魅力的な選択肢です。ガソリンエンジンの滑らかな加速フィールと、Mスポーツパッケージの引き締まった走りを楽しめます。

中古車選びのポイント

中古車選びで最も重要なのは、メンテナンス履歴の確認です。定期点検がしっかりと行われている車両を選ぶことで、将来的なトラブルのリスクを大幅に軽減できます。

走行距離よりも、過去の点検・整備履歴を重視することが重要です。BMW 5シリーズは、走行距離10万km超の車両でも、適切にメンテナンスされていれば長く乗ることができます。

認定中古車は価格が高めですが、素性のよさと充実したサポートが魅力です。初めてBMWを購入する方には、認定中古車をおすすめします。

購入時の注意事項

購入前には、必ず試乗を行い、エンジンの調子や足回りの状態を確認しましょう。異音や振動がないか、電子機器が正常に動作するかをチェックすることが重要です。

また、購入後の保証内容についても確認が必要です。販売店によって保証期間や保証範囲が異なるため、事前に詳細を確認しておきましょう。

修理やメンテナンスを依頼できる工場の確保も重要です。BMW専門店やディーラーとの関係を築いておくことで、安心してG30を所有できます。

BMW G30は本当に不人気なのか?結論

これまでの検証を通じて、G30の「不人気説」について客観的に評価してみましょう。実際のデータと市場の声を総合すると、興味深い結論が見えてきます。

不人気説の真偽

G30が「不人気」とされる理由は、主に市場環境や価格動向によるものであり、車自体の魅力や性能に問題があるわけではありません。セダン市場全体の縮小や、高級車の中古車価格下落は、G30特有の問題ではなく業界全体の傾向です。

実際には、デザインや性能はトップレベルでありながら、なぜか売れない理由が見つからないという状況です。これは「不人気」というよりも、市場のミスマッチと捉える方が適切でしょう。

欧州などでカンパニーカーとして成功を収めている事実からも、G30の真の価値は世界的に認められていることがわかります。

どんな人にG30がおすすめか

G30は、高品質な高級セダンを手頃な価格で購入したい方に最適です。特に、走りの楽しさと実用性を両立したい方、先進安全装備を重視する方におすすめできます。

また、BMWブランドの魅力を感じつつも、新車価格では手が届かなかった方にとって、現在の中古車価格は絶好のチャンスです。コストパフォーマンスを重視する賢い選択といえるでしょう。

長距離運転が多い方や、高速道路を頻繁に利用する方にも、G30の優れた走行性能と運転支援機能は大きなメリットになります。

今後の価値変動予想

G30の中古車価格は、当面は現在の水準で推移すると予想されます。新型G60の普及により、G30の相対的な価値は安定する可能性があります。

ただし、セダン市場全体の縮小傾向は続くと予想されるため、劇的な価格上昇は期待できません。一方で、これ以上の大幅な価格下落も考えにくい状況です。

将来的には、最後の内燃機関世代として、クラシックカー的な価値を持つ可能性もあります。電動化が進む中で、エンジン車の希少価値が高まることも考えられます。

まとめ|BMW G30の真の価値を見極めよう

BMW G30の「不人気説」を検証した結果、これは車自体の問題ではなく、市場環境による影響が大きいことがわかりました。実際には、高い走行性能と充実した装備を持つ優秀なモデルです。

現在の中古車市場では、G30は非常に魅力的な選択肢となっています。新車価格から大幅に下落した価格で、高品質な高級セダンを購入できるのは大きなメリットです。

購入を検討する際は、維持費や故障リスクを理解した上で、信頼できる販売店から状態の良い車両を選ぶことが重要です。適切な選択をすれば、G30は長く愛用できる素晴らしいパートナーになるでしょう。