スバルのクロストレックは、安全性能の高さとAWDシステムで注目を集めるSUVです。しかし、実際に購入したオーナーの中には「思っていたのと違った」「期待外れだった」という声も少なくありません。
この記事では、クロストレックにがっかりしてしまう理由を詳しく分析し、購入前に知っておくべきポイントをご紹介します。同時に、クロストレックの隠れた魅力や、納得して乗るための視点もお伝えしていきます。
高級車の購入を検討されている方にとって、後悔のない選択をするための参考になれば幸いです。価格帯を考えると決して安い買い物ではありませんから、しっかりと検討していきましょう。
クロストレックにがっかりする人が多い理由
期待値の高さと現実のギャップ
クロストレックに対する期待が高すぎることが、がっかり感につながる大きな要因となっています。スバルブランドへの信頼や、SUVとしての機能性への期待が、実際の体験とのギャップを生み出してしまうのです。
特に「ハイブリッド」という言葉から連想される燃費性能や、300万円を超える価格帯から期待される内装の質感について、現実との差を感じるユーザーが多いようです。
他のSUVとの比較で見劣りする部分
同価格帯の競合車と比較した際に、クロストレックが劣って見える部分があることも事実です。特にトヨタのカローラクロスやホンダのヴェゼルと比べると、燃費性能や内装の質感で差を感じることがあります。
これらの競合車は、それぞれ異なる強みを持っているため、クロストレックの特徴を理解せずに選んでしまうと、期待外れに感じてしまう可能性があります。
価格に対する満足度の低さ
クロストレックの価格設定に対して、得られる価値が見合わないと感じるユーザーも存在します。特にオプションを含めると400万円を超えることもあり、この価格帯であればより上質な車を期待してしまうのも無理はありません。
価格と性能のバランスについて、購入前にしっかりと検討することが重要です。
クロストレックのがっかりポイント5選
内装の質感が価格に見合わない
プラスチック感が目立つ素材選び
クロストレックの内装で最も指摘されるのが、プラスチック素材の多用です。300万円を超える価格帯の車としては、質感に物足りなさを感じるユーザーが多いのが現実です。
ダッシュボードやドアパネルなど、目に触れる部分にハードプラスチックが使われており、高級感に欠けるという声が聞かれます。特に他の高級SUVと比較すると、その差は歴然としています。
高級感に欠けるデザイン
内装のデザイン自体はシンプルで機能的ですが、高級感という点では物足りなさがあります。シートの素材や縫製、パネルの仕上げなど、細部にわたって価格に見合った質感を求めるユーザーには不満が残るかもしれません。
ただし、実用性や耐久性を重視した設計であることも事実で、アウトドア用途には適していると言えるでしょう。
エンジンパワーが物足りない
加速時のもたつき感
2.0リットルのe-BOXERエンジンは、日常使いには十分な性能を持っていますが、力強い加速を求めるユーザーには物足りなく感じられることがあります。特にCVTの特性もあり、アクセルを踏んでから実際に加速するまでのタイムラグが気になるという声もあります。
高速道路での追い越しや、坂道での加速時に、もう少しパワーがあればと感じる場面があるのも事実です。
高速道路での合流時の不安
高速道路の合流時など、短時間で加速が必要な場面では、エンジンパワーの不足を感じることがあります。安全に合流するためには、ある程度の余裕を持った加速性能が必要ですが、クロストレックではその点で不安を感じるユーザーもいるようです。
ただし、これは運転の仕方や慣れによっても変わってくる部分でもあります。
燃費性能が期待を下回る
実燃費とカタログ値の差
クロストレックのWLTCモード燃費は、2WDで16.4km/L、AWDで15.8km/Lとなっていますが、実際の燃費はこれを下回ることが多いようです。実燃費は2WDで14.4km/L、AWDで13.8km/L程度という報告があります。
ハイブリッドシステムを搭載していることから、より良い燃費を期待していたユーザーにとっては、期待外れに感じられることがあります。
市街地走行での燃費悪化
特に市街地での走行では、カタログ値との差がより顕著に現れる傾向があります。ストップ&ゴーが多い環境では、e-BOXERシステムの恩恵を十分に受けられず、燃費が悪化しやすいのです。
街乗りメインで使用する場合は、燃費性能について現実的な期待値を持つことが大切です。
車内空間の狭さ
後部座席の居住性
クロストレックの後部座席は、大人が長時間座るには少し窮屈に感じられることがあります。特に身長の高い方や、ファミリーでの使用を考えている場合は、実際に座ってみて確認することをおすすめします。
ただし、コンパクトSUVとしては標準的なサイズであり、日常的な使用には十分対応できるレベルです。
荷室容量の物足りなさ
荷室容量は315リットルとなっており、同クラスの競合車と比較すると決して広いとは言えません。大きな荷物を頻繁に積む予定がある場合は、実際の容量を確認しておく必要があります。
アウトドア用品や家族での旅行時の荷物を考えると、もう少し容量があればという声も聞かれます。
価格設定の高さ
オプション込みで400万円超え
クロストレックの基本価格は300万円台前半からとなっていますが、必要なオプションを追加していくと、400万円を超えることも珍しくありません。この価格帯になると、他の選択肢も豊富になってくるため、コストパフォーマンスを慎重に検討する必要があります。
特にナビゲーションシステムやサンルーフなどの人気オプションは高額で、総額が予想以上に膨らんでしまうことがあります。
競合車との価格比較
同クラスの競合車と比較すると、クロストレックの価格設定はやや高めに感じられることがあります。カローラクロスやヴェゼルなど、同様の機能を持つ車種がより手頃な価格で購入できることを考えると、価格面での魅力は限定的かもしれません。
ただし、スバルならではの安全性能やAWDシステムを考慮すれば、価格に見合った価値があるとも言えます。
実際のオーナーの声から見るがっかりポイント
内装に関する不満の声
実際のオーナーからは「内装が思ったよりもチープに感じる」「プラスチック感が強すぎる」といった声が多く聞かれます。特に400万円近い金額を支払った後では、内装の質感に対する期待も高くなるため、現実とのギャップを感じやすいようです。
一方で「シンプルで使いやすい」「機能性は十分」という肯定的な意見もあり、内装に対する評価は個人の価値観によって大きく分かれています。
走行性能への不満
エンジンパワーについては「加速がもたつく」「高速での合流が不安」といった声が見られます。特に以前にパワフルな車に乗っていたユーザーからは、物足りなさを指摘する声が多いようです。
ただし「街乗りには十分」「安定した走りができる」という評価もあり、使用目的によって満足度が変わることがわかります。
燃費に関する期待外れ
「ハイブリッドなのに燃費が思ったほど良くない」「市街地では10km/L台前半になることも」といった燃費に関する不満の声も聞かれます。特にトヨタのハイブリッド車と比較すると、燃費性能の差を感じるユーザーが多いようです。
e-BOXERはマイルドハイブリッドシステムであることを理解していれば、期待値も適切に設定できるでしょう。
使い勝手の悪さ
「パワーバックドアがない」「収納スペースが少ない」といった使い勝手に関する不満も見られます。特に他の高級SUVと比較すると、便利機能の少なさが目立つことがあります。
日常的な使用を考えると、これらの機能があればより便利に使えるのは確かです。
クロストレックで後悔しないための購入前チェック
試乗で確認すべきポイント
加速感と運転フィーリング
購入前の試乗では、実際の加速感を必ず確認しましょう。街中での発進から高速道路での追い越しまで、様々なシーンでの加速性能を体感することが大切です。CVTの特性による加速感の違いも、実際に運転してみないとわからない部分があります。
自分の運転スタイルや普段の使用環境に合っているかどうかを、しっかりと確認してください。
内装の質感と座り心地
内装については、実際に触れて質感を確認することが重要です。プラスチック部分の仕上がりや、シートの座り心地、操作パネルの使いやすさなど、細かい部分まで チェックしましょう。
長時間の運転を想定して、シートポジションや視界の良さも確認しておくことをおすすめします。
視界の良さと運転のしやすさ
クロストレックの特徴の一つである視界の良さを、実際に体感してみてください。死角の少なさや、バックミラーでの後方視界など、安全運転に関わる重要な要素です。
駐車時の取り回しの良さや、狭い道での運転のしやすさも確認しておきましょう。
競合車との比較検討
トヨタ カローラクロスとの違い
カローラクロスは燃費性能に優れ、内装の質感も良好です。価格も比較的手頃で、実用性を重視するユーザーには魅力的な選択肢となります。一方、悪路走破性や安全性能ではクロストレックに軍配が上がります。
どちらを重視するかによって、選択が変わってくるでしょう。
ホンダ ヴェゼルとの比較
ヴェゼルは都市部での使いやすさと、スタイリッシュなデザインが魅力です。燃費性能も優秀で、街乗りメインのユーザーには適しています。しかし、悪路での走破性はクロストレックの方が上です。
使用環境に応じて、どちらが適しているかを判断することが大切です。
マツダ CX-30との違い
CX-30は内装の質感や走りの質で評価が高く、プレミアム感を求めるユーザーには魅力的です。しかし、安全装備の充実度や悪路性能ではクロストレックが優位に立ちます。
価格帯も似ているため、実際に比較試乗してみることをおすすめします。
用途に合った選択かの見極め
日常使いメインの場合
通勤や買い物など、日常使いがメインの場合は、燃費性能や乗り心地を重視して選択することが大切です。クロストレックは街乗りでの快適性も十分ですが、燃費を最優先に考えるなら他の選択肢も検討してみてください。
駐車場のサイズや、普段の走行環境も考慮に入れましょう。
アウトドア重視の場合
キャンプや釣りなど、アウトドア活動が多い場合は、クロストレックの悪路走破性が大きなメリットになります。200mmの最低地上高とシンメトリカルAWDシステムは、未舗装路でも安心して走行できる性能を提供します。
荷室の使い勝手や、汚れに強い内装素材も、アウトドア用途には適しています。
ファミリーカーとしての適性
家族での使用を考える場合は、後部座席の居住性や荷室容量を重視して検討してください。子供の成長や、家族構成の変化も考慮に入れる必要があります。
安全性能の高さは、ファミリーカーとしては大きなメリットとなります。
クロストレックの隠れた魅力と納得して乗るための視点
スバルならではの安全性能
アイサイトの充実した機能
クロストレックに標準装備されるアイサイトは、業界トップクラスの安全性能を誇ります。プリクラッシュブレーキやアダプティブクルーズコントロールなど、先進的な機能が充実しており、安全運転をサポートしてくれます。
特に高速道路での運転支援機能は、長距離ドライブの疲労軽減に大きく貢献します。
全方位の安全装備
衝突安全性能についても、国内外の安全評価で高いスコアを獲得しています。万が一の事故の際にも、乗員を守る構造設計が施されており、家族を乗せて安心して運転できます。
歩行者保護性能も高く、社会全体の安全に貢献する車と言えるでしょう。
悪路走破性の高さ
水平対向エンジンの低重心
スバル独自の水平対向エンジンは、低重心による優れた走行安定性を実現しています。カーブでの安定感や、悪路での安心感は、他のSUVでは味わえない特徴的な魅力です。
重心の低さは、日常的な運転でも安定感として感じられ、運転の楽しさにもつながります。
シンメトリカルAWDの実力
スバルのシンメトリカルAWDシステムは、常時四輪駆動による優れた悪路走破性を提供します。雪道や山道、未舗装路など、様々な路面状況で安心して走行できる性能は、他のSUVと比較しても群を抜いています。
X-MODEの搭載により、より困難な路面状況でも走破できる能力を持っています。
長期的な信頼性
スバルの品質管理
スバルは品質管理に定評があり、長期間にわたって安心して乗り続けられる車作りをしています。メンテナンスを適切に行えば、長く愛用できる耐久性を持っています。
リセールバリューも比較的安定しており、資産価値の面でもメリットがあります。
メンテナンス性の良さ
全国のスバルディーラーでのアフターサービスも充実しており、メンテナンスや修理の際も安心です。部品の供給体制も整っており、長期間の使用にも対応できます。
定期点検やオイル交換などの基本的なメンテナンスも、リーズナブルな価格で受けられます。
クロストレックを選ぶべき人・避けるべき人
クロストレックがおすすめな人
安全性を最重視する人
家族の安全を何よりも大切に考える方には、クロストレックは最適な選択肢の一つです。アイサイトをはじめとする先進安全装備と、優れた衝突安全性能により、安心してドライブを楽しめます。
特に高速道路を頻繁に利用する方や、長距離ドライブが多い方には、運転支援機能の恩恵を強く感じられるでしょう。
アウトドア活動が多い人
キャンプや釣り、スキーなど、アウトドア活動を楽しむ方には、クロストレックの悪路走破性が大きなメリットになります。未舗装路や雪道でも安心して走行できる性能は、アクティブなライフスタイルを強力にサポートします。
荷室の使い勝手や、汚れに強い内装も、アウトドア用途には適しています。
スバルブランドにこだわりがある人
スバルの技術や思想に共感し、ブランドにこだわりを持つ方には、クロストレックは満足度の高い選択となるでしょう。水平対向エンジンやシンメトリカルAWDなど、スバルならではの技術を存分に味わえます。
スバルコミュニティとのつながりも、所有する楽しみの一つとなります。
他の選択肢を検討した方が良い人
内装の高級感を求める人
価格に見合った内装の質感や高級感を重視する方には、クロストレックは物足りなく感じられる可能性があります。より上質な内装を求める場合は、他のプレミアムSUVを検討することをおすすめします。
レクサスやBMW、アウディなどの高級ブランドも視野に入れてみてください。
燃費性能を重視する人
燃費を最優先に考える方には、トヨタのハイブリッド車やホンダのe:HEVシステム搭載車の方が適しているかもしれません。特に市街地走行が多い場合は、燃費の差が維持費に大きく影響します。
年間走行距離が多い方は、燃費性能を重視した車選びを検討してみてください。
加速性能にこだわる人
力強い加速や、スポーティな走りを求める方には、クロストレックのエンジン性能は物足りなく感じられるかもしれません。より高性能なエンジンを搭載したSUVや、スポーツカーを検討することをおすすめします。
ターボエンジンやV6エンジンを搭載した車種も選択肢に入れてみてください。
まとめ:クロストレック選びで失敗しないために
購入前の心構え
クロストレックを検討する際は、まず自分の使用目的と優先順位を明確にすることが大切です。燃費性能や内装の質感、加速性能など、どの要素を重視するかによって、満足度は大きく変わります。
完璧な車は存在しないため、自分にとって何が最も重要かを見極めることが、後悔しない車選びの第一歩となります。
長く付き合える車選びのコツ
車は長期間使用するものですから、一時的な感情ではなく、冷静な判断で選ぶことが重要です。試乗を重ね、家族の意見も聞きながら、総合的に判断してください。
維持費やリセールバリューなど、購入後のコストも含めて検討することで、より満足度の高い選択ができるでしょう。
最終的な判断基準
クロストレックは確かに一部で「がっかり」という声もありますが、安全性能や悪路走破性など、他では得られない価値も持っています。これらの特徴が自分のニーズと合致するかどうかが、最終的な判断基準となります。