マセラティは壊れやすいって本当？モデルごとの故障傾向と"買う前に知っておきたい"整備ポイント

マセラティを購入したいけれど、「壊れやすい」という噂が気になっていませんか。確かにマセラティは他の高級車ブランドと比べて故障率が高いことが、保険会社の調査で明らかになっています。しかし、適切なメンテナンスと運転方法を心がければ、故障のリスクを大幅に減らすことができます。

この記事では、マセラティの実際の故障データから、モデル別の故障傾向、そして購入前に知っておくべき整備のポイントまで詳しく解説します。マセラティの魅力を存分に楽しみながら、長く愛車として付き合っていくための知識をお伝えしていきます。

マセラティは本当に壊れやすいの？データで見る故障率

他の高級車ブランドとの比較

マセラティの故障率について気になる方も多いでしょう。実際のデータを見ると、マセラティは他の主要自動車メーカーと比べて故障しやすいという結果が出ています。イギリスの自動車保険会社やアメリカの第三者機関による調査でも、同様の傾向が確認されています。

ただし、これは統計的な話であり、すべてのマセラティが故障するわけではありません。実際に「まったく故障をしなかった」という事例も数多く報告されており、当たり外れがあるのが現実です。つまり、オーナーの扱い方次第で大きく変わるということです。

保険会社の調査結果から分かること

保険会社の調査データによると、マセラティは特定の部品に強い負荷がかかりやすいスポーツカーという特性上、故障が起きやすい傾向にあります。主な故障箇所は電子機器やエンジン周りに集中しており、これらの部品は高性能ゆえに繊細な作りになっています。

2017年のモデルでは、エンジン部品の不具合で1000台以上がリコールされた事例もあります。このような大規模なリコールは、品質管理の課題を浮き彫りにしていますが、近年では生産工場のオートメーション化が進み、信頼性は向上しています。

日本車との違いはどのくらい？

日本車からマセラティに乗り換えると、故障の頻度やトラブルの多さに驚いてしまう方が多いのが現実です。日本車は厳しい品質管理と長期耐久性を重視した設計になっているため、マセラティとは根本的にアプローチが異なります。

しかし、これは単純に品質の良し悪しの問題ではありません。マセラティは高性能を追求するスポーツカーとして設計されており、日本車とは異なる価値観で作られています。定期的なメンテナンスと部品交換を前提とした設計思想の違いを理解することが重要です。

モデル別に見るマセラティの故障傾向

ギブリの故障しやすいポイント

エンジン系のトラブル

ギブリで最も多く報告されているのがエンジン系のトラブルです。特にエンジンオイル漏れが頻繁に発生し、パッキンやガスケットの劣化が主な原因となっています。放置するとエンジンの焼き付きなど重大な故障につながる可能性があるため、早期発見が重要です。

また、エンジンの過熱も報告されており、冷却システムの不具合が原因となることが多いです。定期的なオイルレベルのチェックと、冷却水の点検を怠らないことで、これらのトラブルを予防できます。

電装系の不具合

ギブリの電装系トラブルで特に多いのがエアコンの故障です。設定温度通りに冷暖房が効かない、突然効かなくなるといった症状が報告されています。エアコンガスの不足やコンプレッサーの故障が原因となることが多く、修理には高額な費用がかかることがあります。

ナビゲーションシステムやインフォテインメントシステムの不具合も頻繁に報告されています。これらのシステムは複雑なソフトウェアで動作しており、アップデートや操作ミスによってフリーズすることがあります。

トランスミッションの問題

ギブリではトランスミッションの不調も報告されています。シフトチェンジ時のショックが大きい、変速しない、異音がするなどの症状が現れることがあります。ミッションの修理や交換は非常に高額になるケースが多いため、試乗時にスムーズな変速が行われるかを入念にチェックすることが大切です。

特に中古車購入時は、トランスミッションの状態を慎重に確認する必要があります。異音や変速時の違和感を感じたら、専門店での詳しい診断を受けることをおすすめします。

レヴァンテで気をつけたい故障箇所

冷却システムの弱点

レヴァンテで最も注意すべきなのが冷却システムの不具合です。クーラント漏れが頻繁に報告されており、冷却水の循環に関わるホースやラジエターの経年劣化が原因となることが多いです。オーバーヒートを引き起こすリスクがあるため、定期的な点検が欠かせません。

エンジン自体のトルクが高いため、過剰な負荷がかかりやすく、高温環境下での使用が続くとパーツが通常よりも早く劣化します。特に夏場の使用時は、冷却システムの状態を注意深く監視する必要があります。

サスペンションの耐久性

レヴァンテのサスペンションは、その重量級の車体ゆえに負荷がかかりやすく、異音や不具合が報告されています。特にエアサスペンション搭載車では、エラー表示が点灯することがあります。

冬場の時期はバッテリーをはじめとする電気系統を多く消費するため、電気容量不足によってエラー表示が出る傾向があります。2年程度でバッテリーも弱ってくるため、定期的な交換が必要です。

電子制御システムの課題

レヴァンテの初期モデル（2016年から2018年）では、電子系統の不具合やセンサー類のトラブルが多発していました。エンジン制御システムの誤作動や、トランスミッションの異常が報告されており、修理には50万～100万円程度かかることがあります。

電気系統の故障により、インフォテインメントシステムのリセットが頻繁に必要になるケースも報告されています。これらの問題は新しいモデルでは改善されていますが、中古車購入時は年式を慎重に確認することが重要です。

クアトロポルテの故障パターン

比較的故障率が低い理由

クアトロポルテは、マセラティの中でも比較的故障率が低いモデルとして知られています。これは、スポーツ性よりもラグジュアリー性を重視した設計になっているためです。エンジンへの負荷も他のモデルと比べて穏やかで、部品の寿命が長い傾向にあります。

また、クアトロポルテは長年にわたって改良が重ねられてきたモデルであり、初期の問題点が解決されています。製造工程も安定しており、品質のばらつきが少ないことも故障率の低さに貢献しています。

注意すべき経年劣化箇所

クアトロポルテでも経年劣化による故障は避けられません。特に注意すべきなのが、革張りシートやウッドパネルなどの内装部品です。これらはハンドメイドで仕上げられる部分が多く、機械任せではないため経年劣化が起きやすくなっています。

電子系統では、マルチメディアシステムやエアコンの制御に関わる部分で不具合が報告されています。ディスプレイが突然作動しなくなることや、エアコンが効かなくなるケースもあるため、定期的な点検が必要です。

グラントゥーリズモ・グランカブリオの弱点

カンビオコルサの寿命問題

グラントゥーリズモやグランカブリオで特に注意すべきなのが、カンビオコルサ（セミオートマチックトランスミッション）の寿命問題です。マセラティではクラッチの消耗が激しく、走行距離20,000kmぐらいでの交換が推奨されています。

日本車と同じ感覚で乗っていると、予想以上に早くクラッチが消耗してしまいます。重量級の車体のため、こまめなメンテナンスを怠らないことが重要です。違和感を感じたら、すぐに専門店で診断を受けることをおすすめします。

冷却系統のトラブル

グラントゥーリズモ・グランカブリオでは、エンジン冷却系統のトラブルが頻繁に報告されています。特にクーラント漏れが多く、冷却水の循環に関わるホースやラジエターの経年劣化が原因となることが多いです。オーバーヒートを引き起こすリスクがあるため、早期発見が重要です。

旧モデルでは主に電装系や冷却システムのトラブルが多く報告され、特に5万kmを超えたあたりで故障率が高くなる傾向がありました。定期的な冷却システムの点検と、必要に応じた部品交換を行うことで、これらのトラブルを予防できます。

電子機器の故障傾向

グラントゥーリズモ・グランカブリオの電子系統では、マルチメディアシステムやエアコンの制御に関わる電装系統が故障しやすい傾向にあります。ディスプレイが突然作動しなくなることや、エアコンが効かなくなるケースも多く報告されています。

これらの電子機器は複雑なシステムであるため、修理には専門的な知識と時間が必要になります。新型モデルではエレクトロニクスの進化により、これらの信頼性が向上し、故障リスクが約30%減少したとの報告があります。

MC20とグレカーレの現状

MC20については、2025年第1四半期に予定されていた電気式フォルゴーレ・プラットフォームの導入が中止されました。これは需要不足が理由とされており、スーパースポーツカテゴリーを好む顧客層はEVよりもICEモデルを好む傾向が明らかになったためです。

グレカーレについては、新世代SUVとして比較的新しいモデルのため、長期的な故障データはまだ限られています。しかし、初期の報告では電子系統のトラブル、特にナビゲーションシステムやインフォテインメントシステムの不具合が報告されています。現在のマセラティは不具合頻度が減少しており、毎日乗っても大丈夫なレベルに達しているという評価もあります。

マセラティが壊れやすい理由を深掘り

ハンドメイド製造による品質のばらつき

マセラティが壊れやすい理由の一つに、ハンドメイドで仕上げられる部分が多いことが挙げられます。特にインテリアは革張り、ウッドパネル、アナログ時計などで高級感を演出していますが、これらは職人によるハンドメイドで仕上げられるため、経年劣化が起きやすく不具合の原因になります。

ハンドメイドだからこそできる細かいディテールや拘り抜いたデザインは素晴らしいものがありますが、信頼性や品質という面では機械生産に劣ります。また、イタリア人の楽観的で細かいことを気にしない性格も、作りや仕上げの粗さに影響していると言われています。

イタリア車特有の気候適応問題

マセラティはイタリアの気候に合わせて設計されているため、日本の道路事情や気候に合わず、故障することがしばしばあります。特に高温多湿の日本の夏や、寒暖差の激しい気候は、イタリア車にとって厳しい環境です。

電装系の不具合が多いのも、湿度の高い日本の気候が影響していると考えられます。配線の劣化やセンサーの故障、ソフトウェアの不具合などが、気候の違いによって加速される可能性があります。

高性能ゆえの部品への負荷

マセラティはスポーツカーとラグジュアリーカーの両方を持ち合わせる車を得意にしているメーカーです。高性能を追求するあまり、特定の部品に強い負荷がかかりやすい設計になっています。エンジンやトランスミッション、サスペンションなどの主要部品は、日常使用でも高い負荷を受け続けています。

この高負荷により、部品の寿命が短くなり、定期的な交換が必要になります。日本車のように長期間無交換で使用することを前提とした設計ではないため、メンテナンス頻度が高くなるのは避けられません。

複雑な電子制御システム

現代のマセラティには、最新技術を搭載した複雑な電子制御システムが組み込まれています。これらのシステムは高度な機能を提供する一方で、ソフトウェアの不具合が小さなトラブルを引き起こすこともあります。

電子システムの複雑さも故障の原因となることがあり、修理には専門的な知識と時間が必要になります。また、システム同士の連携が複雑になるほど、予期しない不具合が発生するリスクも高まります。

買う前に知っておきたい整備ポイント

定期メンテナンスで防げる故障

エンジンオイル交換の重要性

マセラティのエンジンオイル交換は、故障を防ぐ最も重要なメンテナンスの一つです。メーカーが推奨するオイル交換は5,000キロメートルごと、または6ヶ月ごとに行うべきです。高性能エンジンは通常のエンジンよりもオイルに対する要求が厳しく、劣化したオイルを使い続けるとエンジンの焼き付きなどの重大な故障につながります。

オイル交換費用は一般的な車の数千円に対し、マセラティでは2万円～3万円程度かかります。しかし、この費用を惜しんでエンジンを壊してしまうと、修理費用は数十万円から数百万円になることもあるため、定期的な交換は必須です。

冷却システムの点検頻度

マセラティの冷却システムは、高性能エンジンの熱を効率的に処理するために設計されていますが、その分負荷も大きくなっています。冷却水の量や濃度、ホースの状態、ラジエターの汚れなどを定期的にチェックすることで、オーバーヒートによる重大な故障を防げます。

特に夏場の使用前と冬場の使用後は、冷却システムの状態を入念に確認することをおすすめします。クーラント漏れの兆候があれば、すぐに専門店で診断を受けることが重要です。

電装系のチェック項目

マセラティの電装系トラブルを防ぐためには、定期的な点検が欠かせません。バッテリーの電圧チェック、各種センサーの動作確認、配線の状態確認などを行うことで、突然の故障を防げます。

特にイタリア車は電気系統が弱いため、ショートや断線によるアラーム系統の故障やセンサー系の故障も珍しくありません。異常を感じたら早めに専門店に相談することが、大きなトラブルを防ぐコツです。

運転方法で変わる故障リスク

急発進・急加速を避ける理由

マセラティは高性能車ですが、急発進や急加速を繰り返すと部品への負荷が増大し、故障のリスクが高まります。特にエンジンやトランスミッション、クラッチなどの駆動系部品は、急激な負荷変化に弱い傾向があります。

スムーズな加速と減速を心がけることで、部品の寿命を延ばし、故障のリスクを大幅に減らすことができます。マセラティの本来の性能を楽しみつつ、長く愛車として付き合っていくためには、丁寧な運転が重要です。

暖機運転の大切さ

マセラティのような高性能車では、暖機運転が特に重要です。エンジンが冷えた状態でいきなり高回転まで回すと、金属部品の熱膨張が追いつかず、エンジン内部に傷がつく可能性があります。

冬場は特に暖機運転の時間を長めに取り、エンジンオイルが適正温度に達してから本格的な走行を始めることをおすすめします。この習慣を身につけることで、エンジンの寿命を大幅に延ばすことができます。

高速道路での注意点

マセラティで高速道路を走行する際は、長時間の高速走行による熱の蓄積に注意が必要です。冷却システムへの負荷が大きくなるため、定期的に休憩を取り、エンジンを冷ます時間を作ることが重要です。

また、高速走行後は急にエンジンを止めず、アイドリング状態で数分間熱を逃がしてから停止することをおすすめします。これにより、ターボチャージャーなどの高温部品を保護できます。

季節ごとの注意事項

夏場の熱対策

日本の高温多湿な夏は、マセラティにとって最も厳しい季節です。冷却システムへの負荷が最大になるため、エアコンの使用と併せて冷却水の状態を注意深く監視する必要があります。

駐車時は可能な限り日陰を選び、直射日光を避けることでエンジンルームの温度上昇を抑えられます。また、夏場は冷却水の蒸発も早くなるため、定期的な補充が必要です。

冬場の始動時の注意

冬場のマセラティは、バッテリーの性能低下と電装系への負荷増大に注意が必要です。寒冷地では特にバッテリーの容量が低下し、エンジン始動に支障をきたすことがあります。

また、冬場は暖房やデフロスターなど電装品の使用が増えるため、バッテリーやオルタネーターへの負荷が大きくなります。定期的なバッテリーチェックと、必要に応じた交換を行うことが重要です。

梅雨時期の湿気対策

梅雨時期の高湿度は、マセラティの電装系にとって大敵です。湿気による配線の劣化やセンサーの誤作動が起こりやすくなるため、除湿対策が重要になります。

車内の湿度を下げるため、エアコンの除湿機能を積極的に使用し、定期的な換気を心がけることをおすすめします。また、電装系の点検頻度を上げることで、湿気による不具合を早期発見できます。

マセラティの維持費はどのくらいかかる？

年間維持費の内訳

マセラティの年間維持費は、約63万5,000円～95万5,000円程度が目安となります。この金額は車種やグレード、使用頻度によって変動しますが、国産高級車と比較しても2～3倍以上の費用がかかります。

維持費の内訳を見ると、燃料代が約30万円、自動車税が約10万円、任意保険が約6～8万円、メンテナンス費が約10～40万円、車検費用が約7万5,000円（2年毎のため年間換算）となっています。これらに加えて、駐車場代や予期せぬ修理費用も考慮する必要があります。

メンテナンス費用の具体例

オイル交換費用

マセラティのオイル交換費用は、年2回の交換で4万円～6万円程度かかります。一般的な車のオイル交換が数千円であることを考えると、かなり高額ですが、高性能エンジンには専用のオイルが必要なため避けられない費用です。

純正オイルを使用することで、エンジンの性能を最大限に引き出し、長期的な信頼性を保つことができます。安価なオイルを使用してエンジンを壊すリスクを考えると、適切な投資と言えるでしょう。

タイヤ交換費用

マセラティのタイヤ交換費用は、4本で20万円～30万円程度かかります。高性能タイヤを使用しているため、一般的な車のタイヤと比べて高額になります。また、タイヤの寿命も短く、2～3年に1回の交換が必要です。

スポーツ走行を楽しむ場合は、さらに交換頻度が高くなる可能性があります。タイヤは安全性に直結する重要な部品のため、摩耗状態を定期的にチェックし、適切なタイミングで交換することが重要です。

部品交換費用

マセラティの部品交換費用は、部品の種類によって大きく異なります。ブレーキパッド交換で10万円～15万円、クラッチ交換で数十万円、エンジンやトランスミッションの修理では数百万円かかることもあります。

部品名	交換費用目安	交換頻度
エンジンオイル	2～3万円	6ヶ月毎
ブレーキパッド	10～15万円	2～3年毎
タイヤ4本	20～30万円	2～3年毎
クラッチ	50～100万円	2～3万km毎

故障時の修理費用相場

マセラティの故障時の修理費用は、故障箇所によって大きく異なります。電装系の軽微な不具合であれば数万円で済むこともありますが、エンジンやトランスミッションの重大な故障では数百万円かかることもあります。

ディーラーでの修理は主にパーツ交換となるため、費用が非常に高額になります。専門工場では、リビルド品や中古パーツでの対応も可能な場合があり、費用を抑えることができます。修理内容によっては、ディーラーと専門工場で数十万円の差が出ることもあります。

故障リスクを下げる購入方法

新車購入時の保証制度

正規ディーラーの延長保証

マセラティでは、新車購入時から3年の一般保証に加えて、延長保証プログラムを用意しています。延長保証プログラムは最長7年間まで保証を延長でき、エンジンやミッションなどの重要なパーツが保証されています。

一般保証有効期間の3年以内にお申し込みすることで、4年目以降も安心してドライビングを楽しむことができます。24時間体制のオペレーターによる引き取り受付や代車サービスなどのロードサイドアシスタンスも付帯されるため、万が一の際も安心です。

保証内容の詳細

マセラティの保証制度は、「延長保証プログラム」と「限定延長保証プログラム」の2種類があります。延長保証プログラムは5年まで、限定延長保証プログラムは6年から7年まで延長できます。

限定延長保証プログラムでは、パワーユニットとトランスミッションという重要な部品を保証する内容となっています。ただし、ロードサイドアシスタンスサービスは付帯されないため、保証内容を十分に理解して選択することが重要です。

中古車購入時の注意点

修復歴の確認方法

マセラティの中古車を購入する際は、修復歴の確認が特に重要です。事故による損傷は、後々の故障リスクを大幅に高める可能性があります。修復歴がある車両は、見た目には分からない内部の損傷がある場合があります。

修復歴の確認は、車両の査定書や整備記録簿を詳しくチェックすることから始まります。また、信頼できる専門店や認定中古車を選ぶことで、修復歴に関する情報を正確に把握できます。

整備記録の重要性

マセラティの中古車購入では、整備記録の確認が非常に重要です。定期的なメンテナンスが行われていない車両は、隠れた故障のリスクが高くなります。オイル交換やタイミングベルト交換などの重要なメンテナンスが適切に行われているかを確認しましょう。

整備記録が不完全な車両は、購入後に予期せぬ故障に見舞われる可能性が高くなります。特に高額な部品交換が必要になる故障は、購入価格を大幅に上回る修理費用がかかることもあります。

信頼できる販売店の選び方

マセラティの中古車購入では、販売店選びが成功の鍵を握ります。マセラティの構造や特性を熟知した専門店を選ぶことで、購入後のトラブルを大幅に減らすことができます。

正規ディーラーや、マセラティの整備実績が豊富な認証工場を選ぶことをおすすめします。また、購入後のアフターサービスや保証制度が充実している販売店を選ぶことで、安心してマセラティライフを楽しめます。

購入前にチェックすべき項目

マセラティの購入前には、エンジンルームの状態を詳しく確認することが重要です。オイルのにじみがないか、冷却水の状態はどうか、配線に損傷がないかなどをチェックしましょう。

試乗時には、エンジンの始動性、変速の滑らかさ、異音の有無、電装品の動作状況などを入念に確認します。特にエアコンやナビゲーションシステムなどの電装品は、故障が多い部分のため重点的にチェックする必要があります。

故障した時の対処法

正規ディーラーでの修理

マセラティが故障した際の最も確実な対処法は、正規ディーラーでの修理です。ディーラーには専門の整備士が在籍しており、マセラティの構造を熟知した技術者による適切な診断と修理を受けることができます。

ディーラーでの修理は費用が高額になる傾向がありますが、純正部品を使用した確実な修理を受けられるメリットがあります。また、修理後の保証も充実しており、安心して修理を依頼できます。

専門工場での修理

費用を抑えたい場合は、マセラティの整備実績が豊富な専門工場での修理も選択肢の一つです。専門工場では、リビルド品や中古パーツでの対応も可能な場合があり、ディーラーと比べて修理費用を抑えることができます。

ただし、専門工場を選ぶ際は、マセラティの修理実績と技術力を十分に確認することが重要です。経験豊富な熟練の職人がいる工場を選ぶことで、適切な修理を受けることができます。

部品調達の注意点

マセラティの部品調達では、純正部品の使用が推奨されます。純正部品は非純正品より価格が高いものの、厳しい品質基準を満たしており、車の性能を最大限に引き出します。

部品の入手に時間がかかる場合があるため、故障時は早めに修理工場に相談することが重要です。特に希少な部品の場合、海外からの取り寄せに1ヶ月以上かかることもあります。

マセラティオーナーの本音

実際の故障体験談

マセラティオーナーの体験談を見ると、「納車3ヶ月でチェックランプ点灯」「パーツが届くまで1ヶ月待ち」といった声が聞かれます。一方で、「まったく故障をしなかった」という事例も多数報告されており、個体差が大きいことが分かります。

現在のマセラティオーナーからは、「毎日乗っても大丈夫」「不具合頻度は減少している」という前向きな評価も聞かれます。近年の品質改善により、以前ほど故障を心配する必要はなくなってきているようです。

維持費の実例

実際のオーナーの維持費実例を見ると、年間50～100万円程度が一般的です。内訳としては、任意保険が約20～30万円、ガソリン代が約20万円、車検・整備費用が約20～40万円、タイヤ交換が4本で約30～50万円となっています。

これらの費用は国産高級車と比較しても2～3倍以上の水準ですが、マセラティの魅力を考えれば納得できる範囲と考えるオーナーが多いようです。

所有する喜びと苦労

マセラティオーナーは、維持費の高さや故障のリスクを理解した上で、それでも所有する喜びの方が大きいと感じています。「エンジン音の素晴らしさ」「デザインの美しさ」「運転する楽しさ」など、マセラティならではの魅力が苦労を上回っているようです。

ただし、「信頼できる整備工場・専門ショップとの関係構築がカギ」という声も多く、適切なメンテナンス体制を整えることの重要性が強調されています。

まとめ：マセラティと上手に付き合う方法

マセラティは確かに他の高級車ブランドと比べて故障率が高いことが調査で明らかになっていますが、適切なメンテナンスと丁寧な扱いによって故障リスクを大幅に減らすことができます。重要なのは、マセラティの特性を理解し、定期的なオイル交換や冷却システムの点検を怠らないことです。

購入時は新車の延長保証制度を活用し、中古車の場合は整備記録と修復歴を慎重に確認することが重要です。年間維持費は63～95万円程度を見込んでおく必要がありますが、マセラティならではの魅力を考えれば納得できる投資と言えるでしょう。

故障した際は正規ディーラーか信頼できる専門工場で修理を受け、純正部品の使用を心がけることで長期的な信頼性を保てます。マセラティと上手に付き合うコツは、高性能車としての特性を理解し、愛情を持って丁寧に扱うことです。