ベンテイガは本当にダサい?評価が分かれるデザイン・ブランド感・オーナー像を徹底検証

ベントレー 更新日:2025/06/15 公開日:2025/06/15
ベンテイガは本当にダサい?評価が分かれるデザイン・ブランド感・オーナー像を徹底検証

ベントレーのベンテイガについて、「ダサい」という声と「かっこいい」という声が真っ二つに分かれているのをご存知でしょうか。2015年にベントレー初のSUVとして登場したベンテイガは、その独特なデザインで多くの議論を呼んでいます。

高級車の購入を検討している方にとって、周囲からの評価は気になるポイントですよね。特に2000万円を超える高額な買い物となれば、なおさらです。実際のオーナーはどう感じているのか、そして本当にダサいのかどうか、様々な角度から検証していきましょう。

この記事では、ベンテイガのデザインに対する賛否両論の声を整理し、実際のオーナー評価や競合車との比較を通じて、その真の価値を探っていきます。購入を迷っている方の判断材料として、きっと役立つはずです。

ベンテイガがダサいと言われる理由とは?

SUVとしては異例の低い車高が生む違和感

ベンテイガを見て最初に感じる違和感の正体は、その独特な車高にあります。一般的なSUVと比べて明らかに低く設計されており、まるでセダンを無理やり高くしたような印象を受ける人が多いのです。

この低い車高は、ベントレーがセダンの乗り心地と上質感を重視した結果なのですが、SUVらしい力強さや存在感を期待していた人には物足りなく映ってしまいます。特に日本の道路事情では、もう少し車高があった方が実用的だと感じる声も聞かれます。

フロントグリルの存在感が強すぎる問題

ベンテイガの顔つきで最も議論を呼ぶのが、あの巨大なフロントグリルです。ベントレー伝統のデザインを踏襲しているとはいえ、SUVのボディに合わせると想像以上に大きく見えてしまうのが現実です。

このグリルの存在感の強さが、品格よりも威圧感を感じさせてしまうケースがあります。特に日本の街中では、その大きさが際立ってしまい、「やりすぎ感」を演出してしまうことも。デザインの好みは人それぞれですが、この点で敬遠する人が一定数いるのも事実です。

他の高級SUVと比べて個性が強すぎる外観

高級SUV市場には、メルセデス・ベンツのGLSやBMWのX7など、比較的オーソドックスなデザインの車種が多く存在します。その中でベンテイガは、良くも悪くも非常に個性的な存在として際立っています。

この個性の強さが、保守的な好みを持つ人には受け入れられにくい要因となっています。高級車を購入する層の中には、目立ちすぎることを避けたい人も多く、そうした方々にとってベンテイガのデザインは「攻めすぎ」と感じられるのかもしれません。

ベンテイガのデザインを支持する声も多数存在

ベントレーらしい上品さを保ったSUVデザイン

一方で、ベンテイガのデザインを高く評価する声も数多く聞かれます。特に注目されるのが、SUVでありながらベントレー伝統の上品さを見事に表現している点です。楕円型のヘッドライトには「クリスタルカット」デザインが採用され、まるでダイヤモンドのような美しい輝きを放ちます。

このヘッドライトは消灯時でも王冠のように配置されたクロームインサートが煌めき、ベントレーならではの気品を演出しています。単なる高級SUVではなく、「走る宝石」とも呼べる美しさを持っているのです。

細部まで作り込まれた職人技が光る内装

ベンテイガの真価は、実際に車内に足を踏み入れた時に実感できます。SUVのインテリアにおけるベンチマークと言われるほど、ラグジュアリー感とユーザビリティが高次元で融合されています。

新設計の10.9インチ高解像度タッチスクリーンは使い勝手が良く、センターフェイシアの幅いっぱいに配置された美しいデザインです。さらに4シートのコンフォートスペシフィケーションでは、後席でもゆったりとリクライニングできる贅沢な空間が広がります。

走行性能とラグジュアリー感の絶妙なバランス

ベンテイガが多くのオーナーから愛される理由の一つが、この絶妙なバランス感覚にあります。4.0リッターV8ツインターボエンジンは最高出力550PS、最大トルク770Nmを発揮し、0-100km/h加速はわずか4.5秒という驚異的な性能を誇ります。

それでいて、ベントレーらしい静粛性と乗り心地の良さも両立しているのです。高速道路での長距離移動では、その真価が発揮されます。疲労感を感じることなく、まるで空を飛んでいるような感覚で移動できるのは、ベンテイガならではの魅力と言えるでしょう。

ベンテイガオーナーの実際の評価と満足度

購入前後でイメージが変わったオーナーの声

実際にベンテイガを所有している方々の声を聞くと、購入前の印象と実際に乗ってからの感想に大きなギャップがあることがわかります。「自分で運転する車の最高峰に位置する車だと思う。とにかく疲れない」という評価や、「もっと早く買えばよかった」という後悔の声まで聞かれます。

特に印象的なのが、試乗した方の「6リッターW12のツインターボは感激もの。走りは文句なし。素晴らしい加速と静かさは絶品」という感想です。見た目の印象だけでは判断できない、ベンテイガの本当の価値がここにあります。

日常使いでの利便性に対する評価

高級車というと特別な日にだけ使うイメージがありますが、ベンテイガオーナーの多くは日常的に愛車を使用しています。「高速道路主体で長距離を乗るには最高」という声や、「長距離運転も全然疲れが来ない」という実用性への高い評価が目立ちます。

ただし、街乗りについては「ハンドルの切れ角がもう少しあれば良い。車が大きい分残念」という指摘もあります。日本の狭い道路事情を考えると、この点は購入前に十分検討したいポイントです。

他の高級車から乗り換えた理由

ベンテイガを選んだオーナーの中には、他の高級車からの乗り換え組も多く存在します。「その圧倒的な質感は、同じプラットフォームを共有する車の中でも非常に異質」という評価や、「カリナンは大きすぎるし、GLSマイバッハは左ハンドルしか選べない中で、自分の中では唯一無二の存在」という声が聞かれます。

つまり、ベンテイガは単に高級SUVの選択肢の一つではなく、他では代替できない独特な魅力を持った車として認識されているのです。「愛していると言っても過言ではない」という表現からも、その特別感が伝わってきます。

ベンテイガと競合する高級SUVとの比較

ロールスロイス カリナンとの違い

ベンテイガの最大のライバルとして挙げられるのが、ロールスロイスのカリナンです。両車とも英国の名門ブランドが手がける最高級SUVですが、そのキャラクターには明確な違いがあります。

カリナンは全長5341mm、全幅2164mmという圧倒的な大きさを誇り、まさに「動く応接室」といった趣です。一方、ベンテイガは全長5125mm、全幅1998mmとやや小ぶりで、日本の道路事情により適したサイズ感となっています。価格面でも、カリナンが4000万円台後半からスタートするのに対し、ベンテイガは2280万円からと、相対的に手の届きやすい設定です。

ランボルギーニ ウルスとの性格の差

同じく高性能SUVとして注目されるランボルギーニ ウルスとベンテイガを比較すると、その性格の違いが鮮明に浮かび上がります。ウルスは650PSの4.0リッターV8ツインターボを搭載し、0-100km/h加速3.6秒という圧倒的な加速性能を誇ります。

しかし、ベンテイガの魅力は単純な速さだけではありません。550PSという十分すぎるパワーを持ちながら、ベントレーらしい上質な乗り心地と静粛性を両立している点が大きな違いです。ウルスがスポーツカーの延長線上にあるSUVだとすれば、ベンテイガは高級サルーンの進化形と言えるでしょう。

ポルシェ カイエンとの価格帯・性能比較

より身近な競合車として、ポルシェ カイエンとの比較も興味深いものがあります。カイエンターボの価格は約1800万円からと、ベンテイガよりも500万円ほど安価です。性能面では、カイエンターボが550PSを発揮し、ベンテイガV8と同等のパワーを持っています。

ただし、両車の目指す方向性は大きく異なります。カイエンがスポーツ性能を重視したSUVであるのに対し、ベンテイガはラグジュアリー感を最優先に設計されています。この違いは、実際に乗り比べてみると明確に感じられるはずです。

ベンテイガが選ばれる本当の理由

ベントレーブランドの持つ特別感

ベンテイガを選ぶ最大の理由の一つが、ベントレーというブランドの持つ特別感にあります。1919年創業の英国の名門ブランドは、単なる高級車メーカーを超えた存在として認識されています。

ベントレーの車を所有することは、単に移動手段を得ることではありません。100年以上にわたって培われてきた職人技術と伝統、そして英国貴族が愛用してきた歴史の一部を手に入れることなのです。この特別感は、他のブランドでは決して味わえない唯一無二の価値と言えるでしょう。

希少性の高さが生む所有欲の満足

日本国内でのベンテイガの登録台数は決して多くありません。街中で同じ車に出会う確率は極めて低く、この希少性が所有する喜びをさらに高めています。

高級車を購入する動機の一つに「他人とは違う特別な存在でありたい」という欲求があります。ベンテイガは、その欲求を十分に満たしてくれる存在です。同時に、その希少性ゆえに、オーナー同士の特別な絆も生まれやすいという側面もあります。

投資価値としての側面

高級車の購入を検討する際、リセールバリューも重要な判断材料となります。ベンテイガの場合、1年後の残価率は62%、5年後でも48%程度を維持しており、高級SUVとしては比較的良好な数値を示しています。

ただし、購入直後の値下がりは避けられないため、短期間での売却は大幅な損失となる可能性があります。長期保有を前提とした場合、ベントレーブランドの価値は時間とともに高まる傾向にあり、投資としての側面も期待できるでしょう。

ベンテイガ購入を検討する際の注意点

維持費の現実的な金額

ベンテイガの購入を検討する際、車両価格だけでなく維持費についても十分な検討が必要です。年間の維持費は最低でも約48万円が必要で、これには自動車税88,000円、自動車重量税、自賠責保険などが含まれます。

さらに任意保険は車両保険フル付帯で年間100万円以上、ガソリン代も年間10,000km走行で約18万円(ハイオク使用)が必要です。オイル交換1回で3万円以上、タイヤ4本交換時には24万円程度の費用がかかることも覚悟しておきましょう。

駐車場や取り回しの制約

ベンテイガの全長5125mm、全幅1998mmというサイズは、日本の駐車場事情を考えると制約となる場合があります。特に都市部の機械式駐車場では、サイズ制限により利用できないケースも少なくありません。

また、狭い道路での取り回しについても、「ハンドルの切れ角がもう少しあれば良い」というオーナーの声があります。購入前には、自宅周辺の道路状況や利用予定の駐車場で問題ないかを十分確認することが重要です。

リセールバリューの傾向

ベンテイガのリセールバリューは、購入タイミングによって大きく変わります。新車購入直後の1年間で残価率が62%まで下がるため、短期間での売却は避けた方が賢明です。

一方で、3年後から5年後にかけての下落幅は比較的緩やかになります。長期保有を前提とし、ベントレーブランドの価値を十分に享受するつもりで購入することが、経済的にも精神的にも満足度の高い選択となるでしょう。

ベンテイガの今後の展望と改良点

電動化への対応状況

ベントレーは2030年までに全モデルをEV化すると宣言しており、ベンテイガにもハイブリッドモデルが既に用意されています。3.0リッターV6エンジンと電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムにより、システム合計で最高出力462PS、最大トルク700Nmを発揮します。

EVモードでは最大約45kmの走行が可能で、日常の短距離移動であればガソリンを使わずに済みます。環境性能への配慮が求められる現代において、この電動化への取り組みはベンテイガの将来性を高める重要な要素となっています。

デザインの進化予想

2025年6月には、ベンテイガ史上最もパワフルな「ベンテイガ スピード」の新型が発表されました。4.0リッターV8ツインターボエンジンで650PS、最大トルク850N・mを発揮し、従来のW12エンジン搭載モデルを上回る性能を実現しています。

このような継続的な改良により、ベンテイガのデザインと性能は今後も進化を続けていくでしょう。特に、より洗練されたフロントデザインや、日本市場に適したサイズ感への調整などが期待されます。

市場での位置づけの変化

高級SUV市場は急速に拡大しており、ベンテイガの競合車も増加しています。しかし、ベントレーならではの職人技術と伝統的な価値観は、他ブランドでは真似できない独自性を保っています。

今後は、単純な性能競争ではなく、ブランドの持つ物語性や体験価値がより重要になってくるでしょう。その点で、100年以上の歴史を持つベントレーブランドの価値は、時間とともにさらに高まっていくと予想されます。

まとめ

ベンテイガが「ダサい」かどうかは、結局のところ個人の価値観と求めるものによって大きく左右されます。確かに独特なデザインは好みが分かれるところですが、実際のオーナーからは圧倒的に高い評価を得ているのも事実です。

重要なのは、見た目の印象だけでなく、ベントレーブランドの持つ歴史と伝統、そして他では味わえない上質な乗り心地を総合的に判断することです。高額な買い物だからこそ、しっかりと試乗して自分自身で確かめることをおすすめします。

ベンテイガは単なる移動手段ではなく、人生を豊かにしてくれるパートナーとしての価値を持った特別な存在なのです。