レクサスNXが狭いと言われる理由とは?サイズ感・内装設計の違いと改善ポイント

レクサス 更新日:2025/06/15 公開日:2025/06/15
レクサスNXが狭いと言われる理由とは?サイズ感・内装設計の違いと改善ポイント

レクサスNXを検討している方の中には、「室内が狭い」という評判を耳にして不安に感じている方も多いのではないでしょうか。確かに、レクサスNXは他の高級SUVと比べて室内空間にやや制約があることは事実です。

しかし、この「狭さ」の背景には、レクサスが追求したデザイン性と走行性能へのこだわりがあります。クーペのような美しいシルエットと、都市部での機敏な走りを実現するために、室内空間とのバランスを取った結果なのです。

この記事では、レクサスNXが「狭い」と言われる具体的な理由を詳しく解説し、競合車種との比較や実際の使い勝手についてもお伝えします。購入を検討している方が、自分のライフスタイルに合うかどうかを判断できるよう、リアルな情報をお届けしていきます。

レクサスNXの室内空間が狭いと感じる3つの理由

レクサスNXの室内が狭く感じられる背景には、デザインと機能性のバランスを重視した設計思想があります。特に、クーペライクなルーフラインと傾斜の強いピラー構造は、見た目の美しさと引き換えに室内高やガラス面積を制限しているため、実際よりも閉塞感を抱きやすい構造になっています。

他の高級SUVと比べた時の室内寸法の違い

レクサスNXの室内寸法は、室内長1,805mm、室内幅1,520mm、室内高1,195mmとなっています。これを競合車種と比較すると、BMW X3の室内長が1,805mm〜2,080mmであることから、特に室内長において差があることがわかります。

また、アウディQ5との比較では、ボディサイズの差が室内空間に大きく響いており、Q5の方が全体的に広い空間を確保しています。これは、レクサスNXがコンパクトSUVとしての機敏性を重視した結果でもあります。

後部座席の膝まわりスペースの実測値

実際の使用感として、身長176cmの大人が後部座席に座った場合、膝前にコブシ2つ分のスペースが確保されています。これは一般的な使用には十分な広さですが、長身の方や3人掛けでの使用時には窮屈に感じる可能性があります。

後部座席の横幅1,520mmという数値は、大人3人が座るには少し窮屈に感じる可能性があります。特に、中央席に座る方にとっては、左右の乗員との距離が近くなりがちです。

天井の高さと圧迫感の関係

室内高1,195mmという数値は、SUVとしては標準的ですが、クーペフォルムを強調したデザインの影響で体感的な圧迫感が生まれやすくなっています。特に後部座席では、頭上や横方向の視界が狭く感じられ、長時間の乗車時に体感的な窮屈さにつながる要因となっています。

この圧迫感は、実際の数値以上にデザインの印象が与える体感的な狭さに起因しています。傾斜したルーフラインが作り出すスタイリッシュな外観は、室内の開放感とのトレードオフになっているのです。

レクサスNXのボディサイズと室内空間の関係性

レクサスNXのボディサイズは、全長4,660mm、全幅1,865mm、全高1,660mm〜1,675mmとなっており、コンパクトSUVとしては標準的なサイズです。しかし、このボディサイズから想像される室内空間と実際の広さには、デザイン優先の設計による影響があります。

全長・全幅・全高の実寸法

現行レクサスNXは、初代モデルと比較して全長と全幅が+20mm、全高が-5mm変更されています。この微細な変更により、外観のスタイリッシュさを保ちながら、わずかながら室内空間の改善が図られています。

全幅1,865mmという数値は、日本の道路事情を考慮すると適切なサイズですが、室内幅1,520mmとの差を見ると、ボディの厚みやドアパネルの構造が室内空間に影響していることがわかります。

ホイールベースが室内に与える影響

レクサスNXのホイールベースは2,690mmで、これは室内長1,805mmの確保に直接関係しています。ホイールベースが長いほど室内長を確保しやすくなりますが、レクサスNXでは都市部での取り回しの良さとのバランスを重視した設計となっています。

競合車種と比較すると、BMW X3のホイールベースはより長く設定されており、これが室内長の差に現れています。レクサスNXは、コンパクトさと室内空間のバランスを取った結果、やや制約のある設計になっています。

外観デザインと室内空間のトレードオフ

レクサスNXの特徴的なスピンドルグリルと流麗なボディラインは、ブランドアイデンティティを表現する重要な要素です。しかし、このデザイン性の追求が、室内空間の制約につながっている側面もあります。

特に、ラゲッジ側にかけて絞り込まれたボディ形状は、収納性の制限や後方視界の狭さに影響しています。これは、機能性よりもデザイン性を重視したレクサスの設計思想の表れでもあります。

内装設計で狭さを感じさせる要因

レクサスNXの内装は、「Tazuna Concept」という革新的なコックピット思想に基づいて設計されています。このコンセプトは、ドライバーと車の間に深い意思疎通を可能にし、直感的な運転操作を実現することを目的としていますが、一方で室内空間の体感に影響を与える要素もあります。

センターコンソールの大きさと配置

レクサスNXのセンターコンソールは、やや高めに設定されており、これによりドライビング環境が区切られた設計となっています。このデザインは、運転席の包まれ感を演出する一方で、室内の横方向の広がり感を制限する要因にもなっています。

センターコンソール周りには、カップホルダーやトレイ、コンソールリッドといった収納スペースが豊富に配置されていますが、これらの機能性を重視した結果、やや圧迫感のある配置になっています。

ドアパネルの厚みと肘掛けスペース

レクサスNXのドアパネルには、上質なソフトパッドがインパネからドア上部まで配されており、高級感のある仕上がりとなっています。しかし、この厚みのあるドアパネルが、室内幅の制約につながっている面もあります。

特に、ドアの内張りや肘掛け部分の厚みは、実際の室内幅を狭く感じさせる要因となっています。高級感と室内空間の広さは、しばしばトレードオフの関係にあることがわかります。

シートの形状とクッション性能

レクサスNXのシートは、欧州車のように少し硬めに仕上げられており、体をしっかりと支えてくれる設計となっています。この硬めのシート設定は、長距離移動時の疲労軽減には効果的ですが、座面や背もたれの厚みが室内空間に影響を与えています。

フロントシートの座り心地は非常に良好で、フィット感もよく、家のソファーに座っているような感覚でリラックスできます。しかし、このしっかりとした作りのシートが、後部座席の膝まわりスペースに影響を与えている側面もあります。

競合車種との室内空間比較

レクサスNXの室内空間を正確に評価するためには、同クラスの競合車種との比較が欠かせません。価格帯や車格が近い BMW X3、アウディQ5、メルセデス・ベンツGLCとの比較を通じて、レクサスNXの特徴を明確にしていきます。

BMW X3との室内寸法比較

BMW X3の室内寸法は、室内長1,805mm〜2,080mm、室内幅1,520mm、室内高1,180mm〜1,195mmとなっています。レクサスNXと比較すると、特に室内長において大きな差があることがわかります。

車種室内長室内幅室内高
レクサスNX1,805mm1,520mm1,195mm
BMW X31,805mm〜2,080mm1,520mm1,180mm〜1,195mm

BMW X3の方が室内長に余裕があり、特に後部座席の居住性において優位性があります。また、X3はリアシートが大人3名が快適に座れる広さを確保しており、ファミリー使用においてはより実用的な設計となっています。

アウディQ5との使い勝手の違い

アウディQ5との比較では、ボディサイズの差が室内空間に大きく響いており、Q5の方が全体的に広い空間を確保しています。Q5は後席の居住性においても、ヘッドクリアランスと頭の横方向の空間、ニースペースなどすべてにおいて余裕があります。

しかし、レクサスNXには世界初採用の電動リクライニング・電動格納機能付のリアシートがあります。シート左右のボタンでリクライニング調整ができるほか、ラゲージスペースの側壁や運転席からスイッチひとつでシートアレンジが可能という優れた機能を持っています。

メルセデス・ベンツGLCとの空間効率

メルセデス・ベンツGLCとの比較では、GLCの室内寸法が公表されていないため直接的な数値比較は困難ですが、一般的にGLCはより広い室内空間を確保していると言われています。

レクサスNXの室内広さは2080×1520×1180mmとなっており、これは同クラスの中では標準的な数値です。しかし、体感的な広さでは、デザイン性を重視したNXよりも、実用性を重視したGLCの方が開放感があると感じる方が多いようです。

レクサスNXで快適に過ごすための工夫

レクサスNXの室内空間を最大限に活用するためには、いくつかの工夫とコツがあります。限られたスペースを効率的に使い、快適なドライブを実現するための具体的な方法をご紹介します。

シートポジションの最適な調整方法

レクサスNXで快適に過ごすためには、まずフロントシートの適切な調整が重要です。ドライバーシートは、ペダル操作がしやすく、かつ後部座席の膝まわりスペースを確保できる位置に設定しましょう。

シートの前後位置を調整する際は、ブレーキペダルを奥まで踏み込んだ時に膝が軽く曲がる程度が理想的です。また、背もたれの角度は、ステアリングホイールの上端に手首が届く程度に設定すると、運転疲労を軽減できます。

助手席についても、後部座席の乗員への配慮を忘れずに調整することが大切です。特に家族での利用が多い場合は、後部座席の快適性とのバランスを考慮した設定を心がけましょう。

収納スペースの効率的な使い方

レクサスNXには、センターコンソール周りに豊富な収納スペースが用意されています。これらの収納を効率的に活用することで、室内をすっきりと保ち、広々とした印象を維持できます。

センターコンソールのトレイには、スマートフォンや小銭などの頻繁に使用するアイテムを配置し、コンソールリッド内には重要な書類や貴重品を収納するなど、用途に応じた使い分けが効果的です。

ドアポケットや助手席前のグローブボックスも積極的に活用し、ダッシュボード上には物を置かないようにすることで、視界を確保し、室内の開放感を保つことができます。

エアコンと室内環境の設定コツ

レクサスNXの室内を快適に保つためには、エアコンの適切な設定も重要です。特に、クーペフォルムの影響でガラス面積が制限されているため、効率的な空調管理が必要になります。

夏場は、乗車前にリモートエアコン機能を活用して車内を予冷しておくと、乗車時の快適性が大幅に向上します。また、後部座席の乗員への配慮として、リアエアコンの風量や温度設定にも注意を払いましょう。

冬場は、シートヒーターやステアリングヒーターを併用することで、エアコンの設定温度を下げても快適性を保つことができ、燃費の向上にもつながります。

年式による室内空間の変化

レクサスNXは2014年の初代モデルから現行の2代目モデルまで、室内空間の改良が継続的に行われています。年式による変化を理解することで、中古車選びや新車購入時の参考にしていただけます。

初代NX(2014年〜2021年)の特徴

初代レクサスNXは、2014年7月に誕生した都会派のコンパクトクロスオーバーSUVとして、革新的なデザインで注目を集めました。室内寸法は、室内長2,080mm、室内幅1,520mm、室内高1,180mmとなっており、現行モデルと比較すると室内長がやや長く設定されていました。

初代モデルの特徴として、やや質感の物足りなさが指摘されることもありましたが、レクサスらしい上質な空間作りは既に確立されていました。特に、独創的なデザインによる印象的な室内空間は、他のどの車にも似ていない個性的な雰囲気を創出していました。

現行NX(2021年〜)での改良点

2021年10月に発売された現行レクサスNXでは、室内の質感と使い勝手が大幅にアップしました。室内寸法は室内長1,805mm、室内幅1,520mm、室内高1,195mmとなり、室内長は短縮されたものの、室内高が向上しています。

現行モデルでは、上質なソフトパッドをインパネからドア上部まで配し、全体的なクオリティアップが図られています。また、新しいコックピット思想である「Tazuna Concept」の導入により、ドライバーの操作性と快適性が大幅に向上しました。

後部座席の居住性向上

現行モデルでは、後部座席の居住性についても改良が加えられています。身長176cmの大人が座った場合のニースペースは、新型も旧型もほぼ変わりありませんが、シートの形状や材質の改良により、座り心地が向上しています。

リアシートの電動リクライニングスイッチの配置も変更され、旧型では運転席のステアリング下にも付いていましたが、新型はラゲッジ内壁のみの設置となりました。これは操作性の面では若干の変更点となっています。

荷室容量の拡大

現行モデルでは、ラゲッジスペースの改良も行われています。荷室の開口部はさほど変わりませんが、荷室奥行きが新型の方が長くなっており、実用性が向上しています。

ラゲッジスペースは後席使用時で520〜572L、後席を倒した状態で1,411Lの容量を確保しており、9.5インチのゴルフバッグなら後席バックレストはそのままで3個が積載可能です。

身長別・体型別の乗り心地レビュー

レクサスNXの室内空間の快適性は、乗車する方の身長や体型によって大きく異なります。実際の使用感を身長別に詳しく見ていくことで、購入前の参考にしていただけます。

身長170cm以下の方の感想

身長170cm以下の方にとって、レクサスNXの室内空間は比較的快適に感じられることが多いようです。フロントシートでは、シートポジションの調整幅が十分にあり、適切なドライビングポジションを確保できます。

後部座席においても、頭上空間に余裕があり、膝まわりのスペースも十分に確保されています。身長176cmの方でも膝前にコブシ2つ分のスペースがあることから、それより小柄な方であればより快適に過ごせることがわかります。

ただし、3人掛けでの使用時には、中央席の快適性がやや制限される可能性があります。室内幅1,520mmという数値は、大人3人が座るには少し窮屈に感じる場合があります。

身長180cm以上の方が感じる制約

身長180cm以上の高身長の方にとって、レクサスNXの室内空間はやや制約を感じる場面があります。特に後部座席では、頭上空間や膝まわりのスペースが不足気味に感じられることがあります。

フロントシートについては、シートの前後調整幅が十分にあるため、適切なポジションを確保できますが、後部座席の乗員への配慮を考えると、やや前寄りの設定になりがちです。

長距離移動や高速道路での移動が多い場合は、購入前に必ず試乗を行い、実際の快適性を確認することをお勧めします。特に、家族での利用を考えている場合は、全員が乗車した状態での確認が重要です。

家族4人での長距離移動の実際

家族4人でレクサスNXを利用する場合、短距離の移動であれば特に問題はありませんが、長距離移動では快適性に配慮が必要です。特に、後部座席に大人2名が乗車する場合は、座席間の距離や荷物の配置に工夫が求められます。

レクサスNXには、後部座席の電動リクライニング機能が搭載されており、標準状態の約26度から最大32度まで背もたれを倒すことができます。長時間の移動時には、この機能を活用して快適性を向上させることができます。

荷物については、ラゲッジスペースの容量は十分にありますが、後部座席の乗員の快適性を考慮すると、荷物の量や配置には注意が必要です。3WAYデッキボードを活用して、効率的な荷物の配置を心がけましょう。

レクサスNXの狭さを解決する購入前チェックポイント

レクサスNXの購入を検討している方が、室内空間の制約を理解し、適切な判断を行うためのチェックポイントをご紹介します。事前の確認により、購入後の満足度を高めることができます。

試乗で確認すべき5つのポイント

まず、実際の乗車体験では、フロントシートでの運転姿勢の確認が重要です。ステアリングホイールやペダルの位置、視界の確保など、日常的な運転で重要な要素を細かくチェックしましょう。

次に、後部座席での快適性を確認します。実際に後部座席に座り、頭上空間や膝まわりのスペース、横方向の余裕を体感してください。可能であれば、家族全員で試乗し、それぞれの快適性を確認することをお勧めします。

3つ目は、荷物の積載性です。普段使用している荷物やスーツケースなどを実際に積み込んでみて、ラゲッジスペースの使い勝手を確認しましょう。

4つ目は、シートアレンジの操作性です。後部座席の電動リクライニング機能や分割可倒機能の操作を実際に行い、使いやすさを確認してください。

最後に、長時間の乗車を想定した快適性の確認です。可能であれば30分以上の試乗を行い、疲労感や圧迫感がないかを確認しましょう。

オプション選択で改善できる部分

レクサスNXでは、オプション選択により室内の快適性を向上させることができます。特に、パノラマルーフの選択は、室内の開放感を大幅に向上させる効果があります。

パノラマルーフは、車内に開放感をもたらし、特に家族での旅行やドライブが多い方にぴったりです。ただし、夏場は直射日光で車内が暑くなりやすい点もあるため、遮光カーテンやUVカットフィルムの導入も検討しましょう。

また、シートヒーターやベンチレーション機能付きシートの選択により、快適性を向上させることができます。これらの機能は、限られた室内空間でも快適に過ごすために有効です。

購入後にできるカスタマイズ方法

購入後にも、アフターマーケットパーツを活用して室内の快適性を向上させることができます。例えば、追加の収納アイテムやシートクッション、サンシェードなどを活用することで、より快適な空間を作ることができます。

シートアレンジや収納アクセサリーを上手に取り入れれば、限られたスペースを最大限に活かすことが可能です。また、純正オプションやカスタマイズを取り入れることで、快適性をさらに高めることもできます。

室内の照明やアンビエントライトの追加により、夜間の快適性や高級感を向上させることも可能です。これらのカスタマイズにより、レクサスNXの魅力を最大限に引き出すことができます。

まとめ:レクサスNXの室内空間を理解して賢く選ぼう

レクサスNXが「狭い」と言われる理由は、デザイン性を重視した設計思想と、コンパクトSUVとしての機敏性を追求した結果です。競合車種と比較すると確かに室内空間には制約がありますが、その分、都市部での取り回しの良さや美しいスタイリングを実現しています。

購入を検討する際は、必ず試乗を行い、ご自身の体型や使用目的に合うかを確認することが重要です。また、オプション選択やアフターマーケットパーツの活用により、快適性を向上させることも可能です。