ランクル300の後部座席について「狭い」という声をよく耳にしませんか。高級SUVとして人気の高いランクル300ですが、実際の居住性はどうなのでしょうか。
この記事では、実際の測定データをもとに、ランクル300の後部座席の広さを徹底的に検証します。他の高級SUVとの比較や、身長別の乗り心地まで詳しくお伝えしていきますね。
購入を検討されている方にとって、後部座席の快適性は重要なポイントです。家族での長距離ドライブや、お客様をお乗せする機会が多い方は特に気になるところでしょう。
実測データと実際の使用感を踏まえて、ランクル300の後部座席の本当のところをお話しします。
ランクル300の後部座席の実測データを公開
室内寸法の詳細な数値
ランクル300の室内寸法は、室内長2775mm×室内幅1635mm×室内高1215mmとなっています。この数値だけ見ると、かなり広々とした印象を受けますよね。
実際に大人5人が乗車しても快適に過ごせる空間が確保されており、小さなお子様であれば親御さんと一緒に非常に快適に過ごすことができます。天井の高さも十分で、お子様の着替えなども楽にできる設計になっています。
シート座面の幅と奥行きの測定結果
後部座席のシート座面について詳しく見てみましょう。セカンドシートの右側席は幅820mm、奥行き510mmとなっています。中央席は幅505mm、左側席は幅568mmで奥行きは510mmです。
これらの数値を見ると、左右の席では座面の幅に差があることがわかります。特に中央席は他の席と比べて狭めの設計になっているのが特徴的ですね。
リクライニング角度の実際の数値
ランクル300の後部座席は最大32°までリクライニングが可能です。この角度は国内外のSUVの中でも適度にリクライニングする部類に入ります。
ただし、もう少しリクライニングできたらと感じる方もいらっしゃるでしょう。同じトヨタのランクルプラドが34°だったことを考えると、角度だけで比較するとプラドの方がわずかに寛げる可能性があります。
ランクル300の後部座席が狭いと言われる理由
外観サイズと室内空間のギャップ
ランクル300の外観を見ると、その大きさから室内もかなり広いと期待してしまいます。全長4985mm、全幅1980mmという堂々としたボディサイズですからね。
しかし、実際に後部座席に座ってみると、外観から想像していたほどの広さを感じられないことがあります。これは、ラダーフレーム構造やエンジンの配置などが影響しているためです。
3列シート設計による影響
ランクル300は3列シート仕様が基本となっており、この設計が2列目の居住性に影響を与えています。3列目シートを設置するために、2列目の空間にある程度の制約が生まれてしまうのです。
特に3列目シートの収納部分が床上に配置されているため、2列目の足元空間に影響を与えています。これが「思ったより狭い」と感じる要因の一つになっているのかもしれません。
セカンドシートのスライド機能がない問題
先代のランクル200にはあったセカンドシートのスライド機能が、ランクル300では省かれています。これは大きな変更点で、乗員の体格に合わせて座席位置を調整できないことを意味します。
スライド機能があれば、前席との距離を調整して足元空間を広げることができたのですが、現在はその調整ができません。この点が「狭い」と感じる大きな理由の一つになっています。
他の高級SUVとの後部座席比較
レクサスLXとの居住性の違い
車種 | 室内長(mm) | 室内幅(mm) | 室内高(mm) | リクライニング角度(°) |
---|---|---|---|---|
ランクル300 | 2775 | 1635 | 1215 | 32 |
レクサスLX | 2755 | 1630 | 1190 | 48 |
レクサスLXとランクル300を比較すると、室内寸法はほぼ同等です。しかし、大きな違いはリクライニング角度にあります。
エグゼクティブシートの快適性
レクサスLXの4人乗り仕様には、エグゼクティブシートが装備されています。このシートは電動リクライニング機能を備え、まさにファーストクラスのような快適性を提供します。
クッション性もランクル300よりもふんわりとしており、ショーファーカー仕様として使用するにも十分な品質です。国の要人が乗車しても満足できるレベルの仕上がりになっています。
リクライニング角度の差(48°vs32°)
最も大きな違いは、リクライニング角度です。レクサスLXが最大48°に対して、ランクル300は32°となっています。この16°の差は、実際に座ってみると大きな違いを感じることでしょう。
長距離移動や休憩時の快適性を重視する方にとって、この角度の差は重要な判断材料になります。より深くリクライニングできることで、疲労軽減効果も期待できますね。
ランクル200との比較結果
セカンドシートスライド機能の有無
ランクル200には備わっていたセカンドシートのスライド機能が、ランクル300では廃止されています。これは居住性に大きな影響を与える変更点です。
ランクル200では、セカンドシートを一番前にスライドさせることで、3列目の足元空間を大幅に広げることができました。この機能により、乗員の体格や用途に応じて柔軟に空間を調整できたのです。
実際の足元空間の違い
実際の使用感として、ランクル200の方がランクル300よりも2列目が広く感じられるという声があります。これは主にスライド機能の有無による影響が大きいと考えられます。
ただし、ランクル300の3列目の足元空間は、ランクル200でセカンドシートを一番前にスライドさせた時と同等の広さは確保されています。設計思想の違いが現れている部分ですね。
国産高級SUVとの比較
ハリアーとの室内寸法比較
ハリアーの室内寸法は1890×1515×1230mmとなっており、ランクル300と比較すると明らかにコンパクトです。しかし、2列シート専用設計のため、後部座席の居住性は決して悪くありません。
ハリアーは室内高がランクル300よりも15mm高く設定されており、頭上空間にゆとりがあります。コンパクトながらも効率的な空間設計が施されているのが特徴です。
アルファードなどミニバンとの違い
アルファードの室内寸法は2935×1540×1400mmで、特に室内高の差が顕著です。ミニバン設計のアルファードは、居住性を最優先に設計されているため、後部座席の快適性では圧倒的に優れています。
ただし、オフロード性能や走破性を重視するSUVと、居住性を重視するミニバンでは設計思想が根本的に異なります。用途に応じて選択することが大切ですね。
身長別・体型別の乗り心地レビュー
170cm以下の方の快適性
身長170cm以下の方にとって、ランクル300の後部座席は比較的快適に感じられるでしょう。足元空間にも余裕があり、リクライニング機能を活用すればリラックスして過ごすことができます。
特にお子様や小柄な女性の方であれば、座面の高さや奥行きも適切で、長時間の移動でも疲れにくい設計になっています。天井高も十分に確保されているため、圧迫感を感じることも少ないはずです。
170-180cmの方の使用感
身長170-180cmの方の場合、ランクル300の後部座席は標準的な快適性を提供します。膝先には握りコブシ2つ分程度の余裕が確保され、窮屈さは感じにくいでしょう。
ただし、前席の位置によっては足元空間が狭く感じられることもあります。前席の乗員との調整が必要になる場面もあるかもしれませんね。リクライニング機能を適切に使用することで、快適性を向上させることができます。
180cm以上の方の実際の感想
身長180cm以上の方にとっては、ランクル300の後部座席はやや窮屈に感じられる可能性があります。特に足元空間については、もう少し広さがあればと感じる方が多いようです。
座面の高さについても、太ももの裏側が浮いてしまう感覚があり、長時間の着座では疲労を感じやすいかもしれません。大柄な方の場合は、購入前に必ず実際に座ってみることをおすすめします。
ランクル300の後部座席で快適に過ごすコツ
フロントシート位置の調整方法
後部座席の快適性を向上させるには、まずフロントシートの位置調整が重要です。運転に支障のない範囲で、できるだけ前方に設定することで後部座席の足元空間を広げることができます。
特に助手席については、乗員がいない場合は思い切って前方に移動させましょう。これだけでも後部座席右側の快適性が大幅に向上します。運転席についても、ドライバーの体格に応じて適切な位置に調整することが大切です。
クッションやアクセサリーの活用
市販のクッションやアクセサリーを活用することで、快適性を向上させることができます。特に腰部のサポートクッションや、太もも部分の高さ調整用クッションが効果的です。
また、ネックピローやアームレストパッドなども、長時間の移動では重宝します。純正オプションだけでなく、汎用品も含めて自分に合ったアイテムを見つけることが重要ですね。
長距離移動での工夫点
長距離移動の際は、定期的な休憩とポジション変更が欠かせません。リクライニング角度を適度に調整し、同じ姿勢を長時間続けないよう心がけましょう。
また、足元に荷物を置きすぎないことも大切です。足を伸ばせる空間を確保することで、血行不良や疲労の蓄積を防ぐことができます。水分補給も忘れずに行い、快適な移動を心がけてください。
3列目シートの使い勝手と現実
大人が座った時の実際の状況
ランクル300の3列目シートに大人が座る場合、正直なところかなり窮屈です。床と座面の間隔が不足しており、膝を抱えるような座り方になってしまいます。
身長170cmの大人でも座ることは可能ですが、快適とは言い難い状況です。特に長時間の乗車では、足のしびれや腰の痛みを感じる可能性が高いでしょう。
子供向けとしての評価
3列目シートは、お子様の使用であれば十分に実用的です。小学生程度までのお子様であれば、比較的快適に座ることができるでしょう。
ただし、中学生以上になると大人と同様の問題が生じる可能性があります。家族構成やお子様の成長を考慮して、3列目の使用頻度を検討することが大切ですね。
荷室との兼ね合い
3列目シートを使用すると、荷室容量は175リットルまで減少します。これは日常的な買い物程度であれば問題ありませんが、旅行などの大きな荷物を積む場合は不足を感じるでしょう。
3列目を格納すれば1000リットルの容量が確保できるため、用途に応じてシートアレンジを変更することが重要です。電動格納機能があるグレードでは、操作も簡単に行えます。
購入前にチェックすべきポイント
試乗時の確認事項
購入を検討される際は、必ず後部座席に実際に座ってみることをおすすめします。カタログの数値だけでは分からない、実際の座り心地や圧迫感を確認することが大切です。
特に普段後部座席を使用される方の体格に合わせて、足元空間や頭上空間をチェックしましょう。リクライニング機能も実際に操作して、角度や操作感を確認してください。
家族構成に合った選び方
ご家族の人数や年齢構成によって、最適なグレードや仕様が変わります。小さなお子様が多い場合は3列シート仕様が便利ですが、大人中心の使用であれば2列シート仕様の方が快適かもしれません。
また、普段の使用パターンも考慮に入れましょう。日常的に後部座席を使用するのか、たまにお客様をお乗せする程度なのかによって、必要な快適性のレベルも変わってきます。
他車種との比較検討方法
ランクル300だけでなく、レクサスLXやアルファードなど、他の車種との比較検討も重要です。それぞれの特徴や価格帯を踏まえて、総合的に判断することが大切ですね。
特に後部座席の快適性を重視される場合は、実際に複数の車種で座り比べてみることをおすすめします。数値だけでは分からない、実際の使用感の違いを体感できるでしょう。
まとめ:ランクル300の後部座席選択の判断基準
ランクル300の後部座席は、決して狭いわけではありませんが、外観から期待される広さには及ばないというのが実情です。室内寸法は十分に確保されているものの、3列シート設計やスライド機能の廃止により、先代モデルと比べて制約を感じる部分があります。
身長170cm以下の方であれば快適に過ごせますが、それ以上の体格の方は購入前の試乗が必須です。レクサスLXのようなより快適な選択肢もありますので、用途と予算に応じて検討することが大切ですね。
最終的には、オフロード性能と居住性のバランスをどう考えるかが判断のポイントになります。ランクル300らしい走破性を重視するか、快適性を優先するかで選択が変わってくるでしょう。